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2008 年度 実績報告書

複製フォーク安定化因子による複製フォークの進行とチェックポイント応答との共役機構

研究課題

研究課題/領域番号 20055019
研究機関関西学院大学

研究代表者

田中 克典  関西学院大学, 理工学部, 教授 (60273926)

キーワード複製チェックポイント / 分裂酵母 / ChIP法 / Mrc1 / 細胞周期 / 染色体
研究概要

真核生物ではDNA損傷因子によって損傷や複製ミスが生じた場合、まず複製フォークの崩壊を防ぐ為にフォーク安定化因子によって複製フォークが安定化される。そして、チェックポイント因子によって細胞周期が停止され、修復因子によって複製ミスの修復が行われる。もし、チェックポイント機構が破綻すると、DNA複製の不備、染色体の不等分裂を起こし、細胞のがん化を誘発する。分裂酵母のDNA複製チェックポイント機構において、Mrc1はDNA複製停止に応答したRad3によるCds1のリン酸化を仲介するメディエーターとして働いている。本研究では、分裂酵母のDNA複製フォークの安定化維持機構を明らかにする為、分裂酵母Mrc1の複製フォークへの結合様式を解明することを日的とした。
我々はChIP法により、Mrc1は複製の進行に伴い複製フォーク上を移動するという結果を得た。更に、Mrc1の複製フォークへの結合はチェックポイント非依存的であり、複製フォーク安定化因子Swi1-Swi3依存的であることを明らかにしている。今回、Mrc1がDNA複製時に複製起点に結合するタイミングを複製開始に必要なcdc45やsld3の変異株を用いて解析した結果、アフリカツメガエルでのMrc1の機能ホモログClaspinの知見とは異なり、Mrc1はCdc45やSld3よりも早期に複製起点へリクルートされているという結果を得た。更に、Mrc1とSwi1はS期初期に複製開始を抑制した状態で、早期複製起点だけでなく後期複製起点にも結合しているという結果を得た。
以上の結果より、分裂酵母では複製フォーク安定化に働くMrc1、Swi1が、DNA複製開始前のORCやMCMから構成される複製開始前複合体が形成される時期には早期及び後期複製起点へリクルートされていることが正常なDNA複製開始抑制に必要であると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Fission yeast chromatin assembly factor 1 assists in the replication?coupled maintenance of heterochromatin2008

    • 著者名/発表者名
      Dohke K
    • 雑誌名

      Genes to Cells 13

      ページ: 1027-1043

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Balance between distinct HP1 family proteins controls heterochromatin assembly in fission yeast.2008

    • 著者名/発表者名
      Sadaie M
    • 雑誌名

      Mol Cell Biol 28

      ページ: 6973-6988

    • 査読あり
  • [学会発表] 分裂酵母Mrc1の分解制御機構の解明2009

    • 著者名/発表者名
      坂井俊介
    • 学会等名
      第26回染色体ワークショップ
    • 発表場所
      姫路
    • 年月日
      2009-01-27
  • [学会発表] 分裂酵母Mrc1のDNA複製フォークへの結合様式の解明2009

    • 著者名/発表者名
      佐々木秀徳
    • 学会等名
      第26回染色体ワークショップ
    • 発表場所
      姫路
    • 年月日
      2009-01-26
  • [学会発表] MOLECULAR MECHANISM OF THE MRC1 LOADING ONTO THE REPLIC ATION FORK IN FISSION YEAST2008

    • 著者名/発表者名
      Katsunori Tanaka
    • 学会等名
      Cold Spring Harbor meeting. Cell Cycle
    • 発表場所
      New York
    • 年月日
      2008-05-16
  • [備考]

    • URL

      http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~tanaka/

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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