研究課題
味蕾に発現するTRPM5チャネルをHEK293細胞に発現させ、アラキドン酸によるTRPM5チャネルの修飾をパッチクランプ法ホールセル法を用いて電気生理学的に検討した。膜電位はOmVに保持し、3秒毎に100mVから-100mVへの100msのNegative ramp(三角波)をかけることで、電流-電圧関係を記録した。電極内液のフリーCa2^<+>濃度を0.5μMに設定しているため、ホールセル法を確立後に細胞内のCa2^<+>濃度が0.5蝉に近づき、徐々にチャネルが活性化され外向き整流性のあるTRPC5チャネル活性が記録できた。この活性は-過性で、チャネル活性が低下したところで5μMのアラキドン酸を投与すると、一過性の更なるチャネル活性の抑制が認められた後に大きな外向き整流性を示す電流が惹起された。アラキドン酸の濃度-反応関係を求めたところ、1μM程度からTRPM5チャネルは活性化され10μMでほぼ最大応答が得られることが判明した。一方、Ca^<2+>を添加せずEGTAにより細胞内のフリーCa^<2+>濃度を低く設定すると、10μMのアラキドン酸を投与しても外向き整流性のある電流は記録できなかった。以上の結果より、TRPM5チャネルはアラキドン酸により活性化されるが、細胞内のフリーCa^<2+>濃度が高くないとアラキドン酸により活性化されないことが判明した。
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Proc Natl Acad Sci USA 106
ページ: 5400-5405
Neuroscience 155
ページ: 31-44