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2009 年度 実績報告書

膜骨格系による膜輸送複合体の安定化機構

研究課題

研究課題/領域番号 20056017
研究機関名古屋大学

研究代表者

木下 専  名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30273460)

キーワード細胞骨格 / 輸送体 / 蛍光イメージング / 名疫電子顕微鏡 / 生化学
研究概要

(1) マウスゲノムに存在する13種類のセプチン遺伝子のうち成熟脳特異的に発現するSept4に着目して遺伝子破壊を行い、網羅的行動解析によってSept4欠損マウスのドパミン神経伝達が減弱していることを見出した。Sept4を含むセプチン複合体がドパミン・トランスポーター(DAT/Slc6A3)やtSNAREを含むトランスポートソームの構成成分であることなどから、シナプス前スカフォールドとしてのセプチン系の新たな役割が示された。さらに、パーキンソン病においてSept4が減少することがドパミン神経伝達を低下させ、病態を加速させる可能性も示唆された。セプチン系の破綻が微小管による膜蛋白質の輸送障害をもたらすことも、複雑な病態の背景にあるかもしれない。
(2) マウス神経組織におけるセプチン分子の局在から機能に関する手がかりを得るため、免疫電子顕微鏡(immunogold法)連続切片像(70nm厚×20切片)からシナプスやグリア突起形状と金粒子の分布情報を抽出してコンピュータ上で3次元再構築した。これによりシナプス近傍やグリア突起における特定の細胞膜ドメインにおいてセプチンが集積する傾向が明らかになった。これら細胞膜直下のセプチン・クラスターの一部はGLAST/Slc1A3などの神経伝達物質輸送体やその他重要な膜蛋白質と共局在することから、DATでみられたようにトランスポートソームのスカフォールドを構成している可能性がある。また、一部は膜骨格として樹状突起棘(スパイン)やグリア突起形状の構造的支持に寄与する可能性がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] セプチン細胞骨格系の機能とドーパミン神経伝達における役割2009

    • 著者名/発表者名
      木下専、猪原匡史
    • 雑誌名

      BRAIN and NERVE(神経研究の進歩)大脳基底核-分子基盤から臨床まで」(川島隆太 企画、高田昌彦 編集)4月号 61巻4号

      ページ: 419-428

  • [雑誌論文] セプチン細胞骨格の変幻自在な高次集合性と多彩な生理機能2009

    • 著者名/発表者名
      木下専
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素Review(6月22日発刊) 54巻9号

      ページ: 1150-1158

  • [雑誌論文] Amoeboid T lymphocytes require the septin cytoskeleton for cortical integrity and persistent motility.2009

    • 著者名/発表者名
      Tooley AJ, Gilden J, Jacobelli J, Beemiller P, Trimble WS, Kinoshita M, Krummel MF.
    • 雑誌名

      Nature Cell Biology 11

      ページ: 17-26

    • 査読あり
  • [学会発表] Implications of septins in neuropsychiatric disorders.2010

    • 著者名/発表者名
      Kinoshita M.
    • 学会等名
      The First International Mini-Symposium on Brain Disease & Septin Research.
    • 発表場所
      Philadelphia, USA
    • 年月日
      2010-03-24

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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