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2008 年度 実績報告書

NSAIDs輸送タンパク質TETRANの生理的機能と病態における役割

研究課題

研究課題/領域番号 20056025
研究機関熊本大学

研究代表者

水島 徹  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (00264060)

キーワードNSAIDs / TETRAN / プロモーター
研究概要

TETRANは我々が初めてNSAIDs排出という活性を見いだした蛋白質であり、その排出機構、及び他の抗癌剤を排出するのかは全く分かっていない。そこでまずバキュロウィルスを用いてTETRANを昆虫細胞で多量発現し、そこから反転膜小胞を調製し、排出のエネルギー源の同定、及び排出に関する速度論的解析を行った。その結果、酵母ホモログであるTPO1同様、プロトン駆動力を利用していることを見いだした。またこの反転膜小胞、及びTETARN多量発現細胞を用いて、他の抗癌剤(核酸アナログ、トポイソメラーゼ阻害剤など)を排出できることを見いだした。さらに排出する化合物と排出しない化合物の構造を比較し、TETRANによる薬剤排出に関する構造活性相関を検討した。
我々は、NSAIDsがTETRANを誘導することを見いだしている。この誘導はNSAIDsから自らを守るために細胞が行うストレス応答と考えることが出来る。またこの誘導の強弱により、細胞のNSAIDs耐性(あるいは患者さんのNSAIDs感受性)が左右される可能性がある。実際我々は、TETRANのプロモーター部分に存在するSNPがこの誘導を減弱することを見いだしている。そこで本研究で我々は、NSADsがTETRANを誘導する機構を検討した。NSAIDsはシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素の阻害剤であり、この作用により抗炎症作用を発揮する(COX依存に合成されるプロスタグランジン(PG)は炎症増悪因子である)。我々はこのNSAIDsによるTETRANの誘導がcox非依存であることを示した(培地中にPGを加えても、NSAIDsによるTETRANの誘導は影響を受けなかった)。COX非依存のNSAIDsの作用としては、我々が発見した小胞体ストレス応答誘導、細胞内カルシウム濃度上昇に加え、PPARの活性化、活性酸素産生、MAPキナーゼの活性化などが知られている。小胞体ストレス応答関連遺伝子の発現を抑制すると、NSAIDsによるTETRAN遺伝子の誘導が見られなくなることを見いだした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Linkage between phosphorylation of the origin recognition complex and its ATP-binding activity in Saccharomyces cerevisiae2009

    • 著者名/発表者名
      Makise, M.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem 284

      ページ: 3396-3407

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Up-regUlation of SlOOP expression by non-steroidal anti-inflammatory drugs and its role in their anti-tumorigenic effects2009

    • 著者名/発表者名
      Namba, T.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem 284

      ページ: 4158-4167

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Positive role of CHOP, a transcription factor involved in the ER stress response in the development of colitis2009

    • 著者名/発表者名
      Namba, T.
    • 雑誌名

      Am. J. Pathol (in press)

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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