研究概要 |
細胞膜上でイオンチャネルは他分子と特定の分子複合体(トランスポートソーム)を形成して、初めて正常な生体内機能を果たしている場合の多いことが明らかになりつつある。本研究は、平滑筋、およびペースメーカー細胞としての間質系カハール細胞、非興奮性細胞としての軟骨細胞におけるCa^<2+>活性化K^+チャネル(BKチャネルなど)とその他の細胞膜上のイオンチャネルやトランスポーターやカベオリン、更には小胞体膜上のリアノジン受容体との分子間連関の可能性とトランスポートソームの実体を一分子可視化法により明らかにすることを、目的としている。蛍光タンパクでラベルされたこれら分子の遺伝子を上記細胞に導入・発現させ、全反射顕微鏡で可視化するとともに、その機能を電気生理学的に解析した。 (1) リアノジン受容体とBKチャネルの機能連関を可視化するとともに、男性ホルモンによる発現調節機構を明らかにした(J Pharmacol Sci, 2009)。 (2) 軟骨細胞由来の培養細胞において、細胞内Ca2+濃度制御機構において、非選択的陽イオンチャネルとの機能連関により、BKチャネルなどのCa^<2+>活性化K^+チャネルが重要な役割を果たしていることを明らかにした(Am J Physiol, 2010)。またCl^-チャネルとの機能連関を明らかにした(J Pharmacol Sci, 2010) (3) Na^+-Ca^<2+>交換体を高発現したマウス膀胱平滑筋において、その生理機能を明らかにした。(J Pharmacol Sci, 2010)
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