研究課題/領域番号 |
20056029
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
赤羽 悟美 東邦大学, 医学部, 准教授 (00184185)
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研究分担者 |
中瀬古 寛子 東邦大学, 医学部, 助教 (80408773)
伊藤 雅方 東邦大学, 医学部, 助教 (20459811)
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キーワード | リン脂質 / カルシウム / シグナル / 心筋 / カルシウムチャネル / 脂質輸送 / 蛋白間相互作用 / イオンチャネル |
研究概要 |
【研究目的】StarD10/ PCTP- Lはリン脂質輸送活性と膜リン脂質およびL型Ca^<2+>チャネル主サブユニットCav1.2に対する結合能を有する。我々はこれまでにStarD10/ PCTP- Lが心房をはじめL型Ca^<2+>チャネルと共通の組織に発現しており、L型Ca^<2+>チャネルとの相互作用を介してCa^<2+>チャネル活性を調節し、心房筋細胞の興奮性の調節に関与することを見出してきた。よってStarD10/ PCTP- LはL型Ca^<2+>チャネルを取り巻くカルシウムシグナロソームの一員として脂質関連シグナル分子を介したCa^<2+>チャネルの活性制御を担っていると考えられる。本研究の目的は、StarD10/ PCTP- LおよびL型Ca^<2+>チャネルを含むカルシウムシグナロソームの構成分子を同定しリン脂質シグナル分子を介したCa^<2+>シグナル制御のメカニズムを解明することである。 【平成20年度の進展状況】 1) L型Ca^<2+>チャネル・StarD10/PCTP-L複合体と脂質シグナロソームとの機能的連関 : Cav1.2との結合に関わるStarD10/PCTP-Lの分子内領域を検討したところ、脂質との結合および輸送を担うSTARTドメインがCavL2との結合にcriticalな領域であることを見出した。これに対し、StarD10/PCTP-LのSTARTドメインと比較的高い相同性を持つStarD2/PCTPはCav1.2との相互作用を示さなかった。現在、L型Ca^<2+>チャネル・StarD10/PCTP-L複合体の細胞膜脂質マイクロドメインにおける局在、ならびにStarD10/PCTP-Lのpull-down解析およびリン酸化修飾の解析を進めている。 2) StarD10/PCTP-Lノックアウトマウスの解析 : 現在、StarD10/PCTP-L欠損マウスのフェノタイプ解析を、in vivo循環動態、摘出心房筋標本、単離心筋細胞を中心に進めている。また脂質代謝についての解析も並行して進行中である。StarD10/PCTP-L欠損マウスへの野生型および変異体StarD10/PCTP-L導入に向けてStarD10/PCTP-L転写調節部位を同定した。現在、その転写調節機構について解析を進めている。
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