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2008 年度 実績報告書

異なるリガンド環境下において免疫細胞の恒常性を維持する分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 20057018
研究機関徳島大学

研究代表者

安友 康二  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30333511)

研究分担者 前川 洋一  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10294670)
キーワードリガンド / Notch / Tリンパ球
研究概要

本研究では、リンパ球をモデル系として、異なるNotchリガンドを細胞外環境としてとらえ、リンパ球に発現するNotch分子がリンパ球分化に必要な適切なリガンドを選別している機構について明らかにすることを目的とした。その結果、Notchリガンドの一つであるDelta-like 1(DL1)とNotch 2との相互作用がTリンパ球のエフェクター機能の獲得に重要であることを明らかにした。一方で、もう一つのリガンドであるJagged 1とNotchの相互作用では、Tリンパ球の活性化を抑制するという相反する効果があることを見出した。Jagged 1をマウス生体内で過剰発現させるとコラーゲン免疫によって誘導されるマウス関節炎症状が著明に軽減した。そして、その効果はCD8陽性Tリンパ球を除去したマウスでは、観察されないことからCD8陽性Tリンパ球の抑制を介していることが明らかになった。一方で、CD4陽性Tリンパ球を除去したマウスではJagged 1の効果は弱いながらも観察された。Jagged 1タンパクをCD8陽性Tリンパ球に直接作用させてもTリンパ球増殖は抑制されないことから、Jagged 1はリンパ球以外の細胞に作用し、間接的にCD8陽性Tリンパ球増殖を抑制していると考えられた。Jagged 1によるCD8陽性Tリンパ球の抑制はコラーゲン免疫以外の抗原でも同様に観察された。
以上の結果から、NotchリガンドはTリンパ球に対して正負の機能を発揮し、免疫応答を調整していることが明らかになった。今後は、Jagged 1が作用している細胞群、Tリンパ球抑制のメカニズムについて明らかにしていくことが課題である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Jagged 1 suppresses collagen-induced arthritis by indirectly providing anegative signal in CD8+ T cells2009

    • 著者名/発表者名
      Mika Kijima
    • 雑誌名

      The Journal of Immunololgy 182

      ページ: 3566-3572

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Notch2 integrates signaling by the transcription factors RBP-J and CREB1 to promote T cell cytotoxicity2009

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Maekawa
    • 雑誌名

      Nature Immunology 9

      ページ: 1140-1147

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://immunology.hosp.med.tokushima-u.ac.jp/immunology/system/top/index.php

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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