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2009 年度 実績報告書

ニューロン樹状突起のリモデリングを制御する細胞外環境の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20057030
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

榎本 和生  国立遺伝学研究所, 新分野創造センター, 准教授 (80300953)

キーワード樹状突起 / 受容領域 / 細胞外マトリックス / ショウジョウバエ / リモデリング / 感覚ニューロン
研究概要

ニューロンは、軸索と樹状突起という機能・構造的に異なる2つの神経突起を介して情報の受け渡しを行なっている。神経突起を介したニューロン間ネットワークの大枠は、ヒトでは胎生後期から生後にかけて構築されるが、その後、各ニューロンの神経活動が活発化すると、ネットワークの切り替えが頻繁に行われる。特に、視神経や体性感覚神経などの感覚ニューロンは、外界からの入力に依存して樹状突起形態を大きく変化させることにより、最終的に適切な受容領域を獲得する(1)。このような樹状突起の可塑的形態変化(リモデリング)は、神経回路が機能的に成熟するための必須ステップであるが、簡便な解析システムが確立されていないために、樹状突起リモデリングを制御する分子・細胞メカニズムに関しては未だ情報が乏しい。
我々は、ショウジョウバエ感覚ニューロンをモデルとして、樹状突起構造のリモデリング機構について研究を行った。ショウジョウバエ成虫が羽化してから24時間以内に、感覚ニューロンの樹状突起が放射状から格子状へと劇的にリモデリングされることを見出した。この樹状突起リモデリングは、神経活動に依存的であり、感覚刺激を遮断すると、顕著に阻害されることを見出した。さらに、ニューロンの周辺組織から一過的に供給されるマトリックス・メタロプロテアーゼ(Mmp)により、感覚ニューロン樹状突起の"足場"である細胞外マトリックスが局所分解をうけることが、樹状突起構造のリモデリングを誘導するトリガーであることを示した。これらの発見は、生理的もしくは病理的条件下において、ヒト脳内で起きる樹状突起リモデリングの分子基盤に関する手がかりを明示したと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The target of rapamycin complex 2 controls dendritic tiling of Drosophila sensory neurons through the Tricornered kinase signaling pathway2009

    • 著者名/発表者名
      Koike-Kumagai, et al.
    • 雑誌名

      The EMBO Journal 28

      ページ: 3783-3784

    • 査読あり
  • [学会発表] ニューロン樹状突起の形成と維持を制御する Hippo シグナリング2009

    • 著者名/発表者名
      榎本和生
    • 学会等名
      第82回日本生化学会年会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2009-10-24

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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