• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

五種類のWntと四種類のFrizzledによる非対称分裂制御ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20057031
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

澤 斉  独立行政法人理化学研究所, 細胞運命研究チーム, チームリーダー (80222024)

キーワード非対称細胞 / 細胞極性 / Wnt / βカテニン / C. elegans / Frizzled / 冗長性 / 幹細胞
研究概要

線虫C. elegansの発生の際、ほとんどの細胞は前後方向に分裂し、運命の異なった娘細胞を作り出す。これらの非対称分裂はWntシグナル経路によって制御されており、分裂の際、βカテニンなどのシグナル因子が細胞内で非対称に局在し、またこれらの細胞内因子の変異体では様々な細胞分裂の非対称が異常になる。しかし細胞外のWnt分子自身がどれだけ多くの細胞分裂を制御しているのか、どのように数多くの細胞を制御するのか明らかでなかった。線虫のゲノムに存在する5種類全てのWnt遺伝子に変異を持つ五重Wnt変異体を作成したところ、seam細胞と呼ばれる表皮系幹細胞の分裂が全て異常になり、これらの細胞は複数のWnt分子によって制御されていることが明らかになった。さらに、Wnt変異を組み合わせていくと、3種類のWnt(cwn-1, cwn-2 egl-20)によって制御されていることを明らかにした。またこのうちegl-20は幹細胞群の後ろで発現していることが知られている。それ以外のWntの発現を調べたところ、、cwn-1はegl-20の発現細胞およびその近傍で発現が観察された。驚いたことにcwn-2は幹細胞群の前方にある咽頭で発現していた。以上の結果、細胞は前方から来るWntにも、後方から来るWntに対しても正確に位置情報を読み取って正常に極性化するという驚くべき能力を持っていると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Double bromodomain protein BET-1 and MYST HATs establish and maintain stable cell fates in C.elegans

    • 著者名/発表者名
      Shibata Y.
    • 雑誌名

      Development (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regulation of asymmetric positioning of nuclei by Wnt and Src signaling and its roles in POP-1/TCF nuclear asymmetry in C.elegans

    • 著者名/発表者名
      Sugioka K.
    • 雑誌名

      Genes to Cells (in press)

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi