ショウジョウバエ雄胚生殖巣において、Egfrが雄胚生殖巣のSGCs(生殖巣を構成する体細胞)中で、そのリガンドをコードする遺伝子(spitz)およびリガンドの活性化に関わる遺伝子(stet)が極細胞中で発現することが明らかとなった。また、Notchおよびリガンド分子(Delta)がSGCsで発現することも明らかとなった。これら分子の機能解析をおこなったところ、Notchシグナル経路は、ハブ細胞の形成を正に制御するのに対し、Egfrシグナル経路は、雄胚生殖巣の後半部で活性化し、ハブ形成を負に制御することを見いだした。以上の結果は、胚生殖巣が形成される発生段階で、NotchがすべてのSGCsで発現し、生殖幹細胞ニッチ(ハブ細胞)への分化を誘導するが、後半部のSGCsではSevenlessとEgfrが協同して働くことによりハブ形成が抑制され、その結果、生殖巣前端部のみにハブ細胞が形成されるというモデルを支持する。
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