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2008 年度 実績報告書

分子イメージングを利用したCDKインヒビターp21の生体内機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20058027
研究機関(財)癌研究会

研究代表者

大谷 直子  (財)癌研究会, がん生物部, 主任研究員 (50275195)

キーワードp21 / 発現 / イメージング
研究概要

我々は、生体内におけるサイクリン依存性キナーゼ(CDK)インヒビターp21の機能を明らかにするために、p21遺伝子プロモーターの調節下でホタルの発光酵素(ルシフェラーゼ)を発現するトランスジェニックマウス(p21-p-luc マウス)を作製し生体内におけるp21遺伝子の発現をリアルタイムにイメージングできるシステムを開発した。本研究ではこのシステムを用いて、様々な病態において生体内におけるp21の発現部位やその発現動態を明らかにし、さらに分子・細胞・組織学的解析を行うことによりその病態における未だ知られざるp21の生体内機能を解明することを目的としている。近年、メタボリックシンドロームにおける分子生物学的解析が進んでいるが、メタボリックシンドロームの組織においては、酸化的ストレスなど様々なダメージが加わることが示唆されている。そこで、我々はメタボリックシンドロームにおけるp21遺伝子の関与を調べるため、p21-p-luc マウスに高脂肪食を摂取させた。その結果、肝臓において明らかな発光の上昇が認められ、内在性p21遺伝子の発現も上昇していた。次に野生型マウスとp21ノックアウトマウスに高脂肪食を摂取させたところ、p21ノックアウトマウスにおいては野生型マウスに比べて肉眼的および組織学的に明らかに脂肪肝形成が抑制されていることを見出した。最近、脂肪肝形成には小胞体ストレスが関与していることが知られている。そこで、ツニカマイシンをp21-p-luc マウスに投与し、小胞体ストレスを与え、経時的にイメージングを行ったところ、48時間後付近で腎臓において、また96時間後付近で肝臓において、p21遺伝子発現を示す発光の増強が認められた。これらの結果をふまえて、来年度は脂肪肝形成に関するp21遺伝子の役割・機能について、小胞体ストレスとの関連を含めて分子メカニズムを明らかにしたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Cellular senescence: Its role in tumor suppression and aging.2009

    • 著者名/発表者名
      Naoko Ohtani, David J. Mann, and Eiji Hara
    • 雑誌名

      Cancer Science 100

      ページ: 792-797

    • 査読あり
  • [学会発表] Visualizing the dynamics of Oncogenic stress response in living mice.2009

    • 著者名/発表者名
      Naoko Ohtani
    • 学会等名
      American Association for cancer Research (AACR) special conference in Cancer Research: Mouse Models of Cancer
    • 発表場所
      米国 サンフランシスコ Hyatt Regency
    • 年月日
      2009-01-13
  • [学会発表] Real-time imaging of p16 expression visualizes the dynamics of senescence signaling in living animals.2008

    • 著者名/発表者名
      Eiji Hara
    • 学会等名
      日本分子生物学会 シンポジウム 細胞老化と疾患
    • 発表場所
      神戸 ポートアイランド
    • 年月日
      2008-12-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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