テーマ2) CCT4の段階的なノックダウンと再構築系の解析 CCT4のノックダウンによりデグラトンプローブの分解が抑制されたが、一方でCCT4は細胞に必須な因子であるため、ノックダウン時には細胞にはかなりのダメージが生じている。そこで細胞障害によるアーチファクトである可能性を検証するため、段階的に程度の異なるノックダウン系を構築し、細胞障害がない状態でも分解停止が起こるかどうかを解析した。また、誘導型CCT4ノックダウン実験系も構築し、ノックダウン後の時間過程を詳細に追いながら、細胞障害と分解調節の相関について、解析を実施した。 テーマ3) CCT4変異体におけるシャペロン機能と分解判定機能の解析 ここ数年の間に、一部の遺伝性感覚ニューロパシーの原因遺伝子として、ラットのモデル系ではCCT4が、またヒトではCCT5が同定された。したがって、部分的にシャペロン機能が失われているか、あるいは、今回注目している分解判定機能だけが選択的に失われていることが発症に結びついている可能性が考えられる。そこで報告のある変異体において、内因性遺伝子をノックダウンしつつ、変異タンパク質を発現させる再構築発現系を構築することによって、2種類の蛍光タンパク質を用いた「シャペロン機能と分解判定機能の同時計測」を実施した。その結果、変異CCT4タンパク質は分解制御においては機能が変化していないことを明らかにすることができた。
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