テーマ2)CCT4の段階的なノックダウンと再構築系の解析 昨年度に構築したCCT4のノックダウン系に加えて、8種類全てのCCTファミリーのノックダウン系を構築し、その解析を進めた。その結果、8種類のいずれのメンバーをノックアウトした場合にも、強度に差は見られるもののDsRedの蛍光増強が観察された。さらにその強度に注目すると、DsRedとの直接の相互作用が示唆されたタンパク質では、とくにDsRedの蛍光増強の程度が大きく、そうでないものでは小さいという傾向がみられた。このことは、シャペロニン全体として分解制御に関わっているが、直接相互作用する因子によってより強く分解が制御されていることが考えられる。 テーマ3)CCT4変異体におけるシャペロン機能と分解判定機能の解析、 DsRed以外の多数のタンパク質についても、同様にCCTファミリーのノックダウンの効果を解析した。するとDsRedと同様な分解制御を受けることがわかっている他の蛍光タンパク質において、逆にシャペロン機能のみが作用しておりCCTファミリーは分解には関与していないことが明らかとなった。このことは不安定タンパク質を分解系に引き渡すシステムはCCTファミリー以外にも存在していることを示している。そこでHSP70系の関与、およびHSP90系の関与についても解析をしたが、それぞれ単独の解析では明確な変化は見られなかった。今後、組み合わせでの作用について解析を進める。
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