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2009 年度 実績報告書

Sec膜透過・組込みシステムの制御

研究課題

研究課題/領域番号 20059019
研究機関京都産業大学

研究代表者

伊藤 維昭  京都産業大学, 工学部, 教授 (90027334)

研究分担者 千葉 志信  京都大学, ウイルス研究所, 助教 (20523517)
キーワードタンパク質膜透過 / 膜タンパク質 / SecM / SecA / SecY / YidC / SecDF
研究概要

1. 原核細胞に於けるタンパク質膜透過を促進する膜因子SecDFの立体構造を高度好熱菌を用いて結晶解析などにより決定した。その結果SecDFのペリプラズム領域が二つの異なる構造をとり得ること、変性タンパク質結合能をもつことを見いだした。また、SecDFの膜貫通領域の配置がプロトン駆動力により駆動される薬剤排出ポンプであるAcrBと相同であり、プロトンの流れに関与すると考えられている残基が保存されていること、その変異によりSecDFの膜透過促進能が損なわれるを見いだした。このような知見に基づき、SecDFはペリプラズムから基質を結合してプロトン駆動力によって膜透過を促進するとのモデルを提唱した。
2. SecMの分泌と翻訳アレストについてin vivoで解析するためpeptidyl-tRNAを検出する実験条件を確立した。パルスチェイス実験によりSecM自体の分泌と安定性を調べた結果、SecMは膜透過経路に乗ることによって速やかな分解を受けることを見いだした。
3. 膜タンパク質組込み装置の制御に関して、枯草菌を用いた解析により、組込み装置YidCの翻訳がSecMと類似の翻訳アレスト現象によって制御されていることを見いだした。枯草菌のMifMタンパク質は、カルボキシ末端付近に自身の翻訳を一時停止させるアミノ酸配列を持ち、そのアレストモチーフがリボソームのトンネルと相互作用することで翻訳アレストを起こす。一方、アミノ末端に膜組込配列を持ち、膜組込因子YidCの基質として振る舞う。そして、MifMが正しく局在化される過程と共役して翻訳アレストが解除されるが、局在化の過程に異常が生じると翻訳停止が継続し、mRNA上に停止したリボソームによるmRNAの二次構造破壊を介して、オペロン下流に存在するyidC2の翻訳を促進することを示した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Divergent stalling sequences sense and control cellular physiology2010

    • 著者名/発表者名
      Ito, K.
    • 雑誌名

      Biochemical Biophysical Research Communications 393

      ページ: 1-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dynamic nature of disulphide bond formation catalysts revealed by tryst al structures of DsbB.2009

    • 著者名/発表者名
      Inaba, K.
    • 雑誌名

      The EMBO Journal 28

      ページ: 779-791

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Editing disulphide bonds : error correction using redox currencies2009

    • 著者名/発表者名
      Ito, K.
    • 雑誌名

      Molecular Microbiology 75

      ページ: 1-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A ribosome-nascent chain sensor of membrane protein biogenesis in Bacillus subtilis2009

    • 著者名/発表者名
      Chiba, S.
    • 雑誌名

      The EMBO Journal 28

      ページ: 3461-3475

    • 査読あり
  • [図書] Bacterial Secreted Proteins2009

    • 著者名/発表者名
      K.Wooldridge 編著
    • 総ページ数
      3-22
    • 出版者
      Caister Academic Press, Norfolk, UK

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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