研究課題/領域番号 |
20059024
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三原 勝芳 九州大学, 大学院・医学研究院, 名誉教授 (40029963)
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研究分担者 |
岡 敏彦 九州大学, 医学研究院, 准教授 (40263321)
大寺 秀典 九州大学, 医学研究院, 助教 (40380612)
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キーワード | ミトコンドリア / 膜形成 / 膜融合 / 膜分裂 / 蛋白質輸送 / 高分子量GTPase / アポトーシス / 膜ダイナミクス |
研究概要 |
ミトコンドリア(Mt)は外膜、内膜2枚の膜に囲まれ細胞における好気的なATP産生、アポトーシス、カルシウムシグナル伝達などに関わる必須のオルガネラである。本申請は特にインターフェースとして様々な機能が集積しているMtの外膜に焦点を絞り、外膜を構成する蛋白質のMtへの配送、蛋白質輸送装置による外膜蛋白質の外膜への組み込み、ならびに外膜の分裂融合装置によるMt膜ダイナミクスの制御機構を明らかにすることを目的とし、以下の事柄を明らかにした。 (1)ミトコンドリアDNAにコードされる蛋白質のマトリクス側から内膜への組み込みに関わる因子OXA1を同定し、この内膜組み込みの機構を明らかにした。さらに最初の膜貫通領域の直上に膜間部へのエクスポートに必須な領域があることを見いだした。(2)高分子量GTPase Drp1は通常細胞質に分布し、Mt表面にリクルートされてのMtの分裂に関わる因子であるがその生理的な重要性は不明であった。我々はDrp1遺伝子のノックアウトマウス作成に初めて成功し、個体ならびに細胞レベルでの表現形の解析を行なった。その結果Drp1は神経のシナプス形成に必須であることを明らかにした。(3)Mtの軸索輸送に関わる新規な因子KLP6の同定に成功した。 (4) Mt外膜上のDrp1受容体は不明であったが我々は従来推定されていたFis1ではなくMffと呼ばれる外膜因子が受容体として働くことを初めて明らかにした。
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