研究課題
小胞体タンパク質品質管理機構に密接にかかわる小胞体ストレスセンサーの生体内における機能を明らかにし、新しいタンパク質社会学の概念構築を目指している。本年度得られた成果は以下のとおりである。1)小胞体ストレスセンサーのターゲット遺伝子同定 ; OASISおよびBBF2H7のターゲットをマイクロアレイ法で探索した結果、OASISの場合は1型コラーゲンを、BBF2H7の場合はSec23aを転写誘導することが明らかなった。またプロモーター解析、ゲルシフトアッセイ、ChIPアッセイなどにより、各遺伝子上流に存在するCRE-like配列に作用して小胞体ストレスセンサーが転写誘導することも明らかにした。2)小胞体ストレスセンサー欠損マウスの解析 ; 各小胞体ストレスセンサーの遺伝子欠損マウスでは骨(OASIS)および軟骨(BBF2H7)形成異常が生じる。いずれのマウスとも障害される細胞では小胞体が異常に拡張し、内部に分泌物を大量に貯め込んでいた。BBF2H7欠損軟骨細胞の場合は、ターゲットであるSec23aを強制発現させることで小胞体の異常拡張は救済され、軟骨基質の分泌が改善した。従ってターゲット遺伝子の転写レベル低下がマウスの表現型形成に大きく寄与していることが明らかになった。3)OASIS類似小胞体ストレスセンサーの発現解析 ; AIbZIPおよびCREBHの組織分布を検討し、それらの発現が組織・細胞種特異性を有することを明らかにした。
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