研究課題
●腸内細菌の腸炎惹起性CD4+ 細胞の維持への役割●腸内細菌とIL-7の腸炎惹起性CD4+細胞の維持への役割慢性大腸炎発症に腸内細菌が必須であることは明らかとされている。しかし、腸内細菌が成立した腸炎惹起性CD4+細胞の維持に必要であるかは不明である。SPF環境下にてC3H-SCIDマウスCD4+CD45RB^<high>T細胞移入慢性大腸炎マウスを作製し、腸炎マウス大腸粘膜内CD4+細胞を分離し、再度、SPF化または無菌化(GF)C3H-SCIDマウスに移入した。SPFでは大腸炎を発症したがGFでは発症しなかった。しかし、GF環境化に6週間維持したのち、SPF環境化へ移行すると再び大腸炎を発症した。さらに、GF環境化における腸炎惹起性CD4T細胞の維持にIL-7が必須であることをIL- 7KO_xRagKOマウスを用いて明らかとした。このことは、腸炎惹起性CD4+T細胞はメモリー化し、IBDにおける疾患永続性に免疫記憶が成立することを示唆するデータと言える(J Immunol. in revision)。●腸炎惹起性CD4+細胞の免疫学的加齢に伴う免疫寛容の獲得の追求我々はCD4+CD45RB^<high>T細胞移入慢性大腸炎マウスより分離した大腸粘膜内リンパ球をSPF化SCIDマウスへ移入を繰り返す腸炎惹起性CD4+細胞の個体間継代を確立している。しかし、7継代後より腸炎の再現性を失う。このことは広く臨床医学的に知られている自己免疫疾患の高齢化に伴う病勢軽減モデルとして極めて有用である。平成20年度の成果として、継代された加齢腸炎惹起性CD4+T細胞は腸炎惹起能を失うばかりではなく、自らin vivoにおいてCD4+CD45RB^<high>T細胞大腸炎を抑制することを明らかとした(Eur Immuno1 2008)。
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