研究課題/領域番号 |
20060022
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
竹田 和由 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80272821)
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研究分担者 |
中野 裕康 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70276476)
秋葉 久弥 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60338316)
中山 勝文 順天堂大学, 医学部, 助教 (20453582)
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キーワード | TRAIL / DR5 / 原発性硬化性胆管炎(PSC) / histone deacetylase inhibitor / ErbB-2(HER2) |
研究概要 |
癌抗原特異的な細胞傷害性T細胞(CTL)誘導後の癌塊局所での生体反応が癌の拒絶に重要であると示唆されている。しかし、これまで樹立された癌を効率的に拒絶するモデルが無く、拒絶される癌塊局所での生体反応の解析は困難であった。申請者が開発した高率で癌を拒絶できる抗体カクテル療法(trimAb : 抗DR5抗体、抗CD40抗体、抗CD137抗体の併用)を用いて、癌抗原特異的な免疫反応の結果として拒絶される癌組織内で起きる生体反応と真のエフェクターメカニズム、さらに、これに対抗する癌細胞の治療耐性獲得機構の解明を目的として研究を進めてきた。本年度は、癌塊を用いたcDNA microarrayにより発現変化の見られた分子を欠損するマウスを用いる研究を始める過程で発見した、抗DR5抗体がマウス系統特異的に胆管炎による黄疸を発症させ、この病態が難病(特定疾患)に指定されている原発性硬化性胆管炎(PSC)に酷似し、その病因となっている可能性を報告した。また、癌細胞側の細胞死感受性を高め治療耐性の獲得を阻止する目的で、histone deacetylase inhibitorや抗ErbB-2(HER2)抗体との併用治療も試み、これらの結果を報告した。拒絶されない癌にはregulatoryT細胞の浸潤が有意に高いことを見出しており、現在、これを標的とした治療法との併用の研究を進めている。さらに臨床の場で免疫療法の効果評価として用いられている全身的免疫解析と癌治療効率の相関をマウスモデルで検討しており、臨床応用に直結した研究も進めている。
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