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2008 年度 実績報告書

死細胞処理による末梢性自己免疫寛容誘導機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20060031
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

田中 正人  独立行政法人理化学研究所, 自然免疫研究チーム, チームリーダー (00294059)

研究分担者 三宅 靖延  独立行政法人理化学研究所, 自然免疫研究チーム, 研究員 (10392143)
キーワードアポトーシス / 貪食 / 樹状細胞 / マクロファージ / 免疫寛容
研究概要

我々は、これまでに死細胞貪食による免疫寛容誘導現象を利用して、多発性硬化症の動物モデルであるEAEの発症阻止に成功した。すなわち原因抗原であるMOGを発現する死細胞を経静脈的に投与することにより、MOG特異的T細胞寛容を誘導し、EAEの発症を抑制することができた。経静脈的に投与した死細胞は脾臓の辺縁帯で処理される。辺縁帯では2種類のマクロファージが局在し死細胞処理を担う。これらのマクロファージに加えて、CD8a陽性樹状細胞も投与死細胞を取り込み、死細胞付随抗原の提示および免疫寛容誘導に主要な役割を果たしていると考えられてきた。しかしながら、従来このCD8a陽性樹状細胞は主に脾臓のT細胞領域に局在すると考えられており、本細胞がどのようにして辺縁帯に局在する投与死細胞を貪食するのか不明であった。
本研究で我々は、この寛容誘導を担当する細胞を詳細に検討し、脾臓CD8a陽性樹状細胞の中で、CD103陽性、CD207陽性の細胞亜集団が重要な役割を果たしていることを突きとめた。免疫組織学的検討により、この樹状細胞亜集団はT細胞領域ではなく、主に辺縁帯に局在し、死細飽食食後にT細胞領域に移動することが明らかとなった。 CD8α^+,CD103^+,CD207^+樹状細胞は、in vivoおよびin vitroにおいて強力な死細胞貪食能およびクロスプレゼンテーション能を有し、サイトカイン産生においても、他のサブセットと異なる挙動を示した。チトクロームC投与により、本樹状細胞亜集団を特異的に消失させると、死細胞投与による寛容誘導が起こらなくなることから、本細胞は死細胞付随抗原に対する寛容誘導に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Maintenance of self-tolerance by apoptotic cell clearance2008

    • 著者名/発表者名
      Masato Tanaka, 他
    • 雑誌名

      Frontiers in Bioscience 13

      ページ: 6043-6049

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Novel Subset of CD8α^+Dendritic Cells lacalized in the Marginal Zone is Responsible for Tolerance to Cell-Associated Antigens.

    • 著者名/発表者名
      Chun-Hong Qiu, 他
    • 雑誌名

      Journal of Immunology (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Apoptotic cell cearance and self-tolerance2008

    • 著者名/発表者名
      田中 正人
    • 学会等名
      第15回武田科学振興財団生命科学シンポジウム
    • 発表場所
      シェラトン都ホテル東京(目黒)
    • 年月日
      2008-12-03
  • [学会発表] 死細胞貪食による免疫寛容誘導機構2008

    • 著者名/発表者名
      田中 正人
    • 学会等名
      第29回 日本炎症・再生医学会
    • 発表場所
      都市センターホテル(麹町)
    • 年月日
      2008-07-09

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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