研究課題/領域番号 |
20200006
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山本 卓 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90244102)
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研究分担者 |
鈴木 厚 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20314726)
西川 正俊 理化学研究所, 発生再生科学総合研究センター, 研究員 (30444516)
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キーワード | 発生・分化 / 遺伝子 / ゲノム / 発現制御 / ゆらぎ |
研究概要 |
本年度は以下の通り研究を実施した。 1)発生過程における遺伝子発現のゆらぎの解析…前年度確立したzinc-finger nuclease利用したレポーター遺伝子挿入システムを用いて、ウニゲノムのHpEts遺伝子座へGFP遺伝子をノックインし、胚発生過程における1細胞レベルでの蛍光量測定および発現ダイナミクスを解析した。その結果、一次間充織細胞の分化に伴って、HpEts遺伝子の発現のばらつきが大きくなっていくことが明らかになった。また、標的遺伝子座へのレポーター遺伝子導入効率をあげるシステム改善を行い、導入胚の約20%で蛍光遺伝子を発現させることに成功した。 2)細胞応答のゆらぎと細胞間相互作用に基づく細胞運命決定の解析…細胞運命の決定過程における"細胞応答のゆらぎ"を調べるために、動的な遺伝子発現のin vivo観察系を前年度までに構築した。しかし、定量的な解析を行うためには、いくつかの問題点が明らかになった。本年度は、これらの問題点を解決するために、細胞の接着条件の調節や阻害剤を利用して細胞形態の安定化を行なった。その結果、経時的な発現定量解析が可能になり、個々の細胞での発現ピークの違いなどが検出できるようになった。 3)多能性幹細胞における遺伝子発現のゆらぎの解析…前年度までに作製したレチノイン酸応答レポーター遺伝子発現構築を安定的に発現するEC細胞株を用い、細胞塊中での細胞分化とレチノイン酸応答レポーター遺伝子発現の相関を解析した。その結果、レチノイン酸による分化誘導過程での発現のばらつきは観察されず、本システムではゆらぎを検出することができなかった。
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