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2010 年度 実績報告書

分子コンピュータ内蔵リポソーム:自律的に考え判断するドラッグデリバリーシステム

研究課題

研究課題/領域番号 20200007
研究機関東京大学

研究代表者

庄田 耕一郎  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (00401216)

キーワードドラッグデリバリー / 生命分子計算 / 人工細胞モデル
研究概要

分子コンピュータRTRACSは、RNAを入力分子とし、酵素反応により解であるところのRNAを出力する分子演算システムである。本研究ではRTRACSをリポソームに封入し、「考える」薬物送達システム:インテリジェントDDSの実現を目指した。H23年度は、(1)一枚膜リポソーム調製法の開発と、(2)膜を介したDNA/RNAの入出力を可能にする分子アンブレラ-DNA複合体の研究を行った。
(1)前年度までに、細胞サイズのリポソームの中で安定に分子演算反応が進行することを見出していたが、そのリポソームは多重膜であった。DDSに適しているのは一枚膜リポソームであり、その調製にはw/oエマルション遠心沈降法を用いていた。しかし、実験の再現性が非常に低い問題点があった。"PCR in GV"研究の結果を踏まえて種々検討したところ、Mg^<2+>イオンおよび(d)NTPなどの小分子がリポソーム外に漏れ出し、リポソーム内部の反応を停止させることが分かった。そこで外部水相にこれらの小分子を補ったところ、実験の再現性がほぼ100%にまで向上することを見出した。
(2)分子アンブレラ-DNA複合体は、本研究費で導入したHPLCシステムを用いてはじめて、単離精製することに成功した。分子アンブレラは、親水性高分子であるDNA/RNAがバリア能のある脂質二分子膜を透過する過程を促進するが、鎖長が短いほど、また二本鎖よりも一本鎖の方が、膜透過速度が大きいことを見出した。しかし、膜透過速度は遅く透過DNA/RNA量も少ないので、リポソーム調製法の最適化を検討する必要があると結論した。そこで、オイルフリーかつ塩濃度の高いRTRACS緩衝液条件において一枚膜ジャイアントリポソームを形成することが可能である、画期的なリポソーム調製法の開発に成功した。この新規リポソーム調製法を用いると、分子アンブレラ-DNA複合体の膜透過促進能を極限まで引き出すことができると期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Compartment size dependence of performance of polymerase chain reaction inside giant vesicles2011

    • 著者名/発表者名
      Koh-ichiroh Shohda, Mieko Tamura, Yoshiyuki Kageyama, Kentaro Suzuki, Akira Suyama, Tadashi Sugawara
    • 雑誌名

      Soft Matter

      巻: 7 ページ: 3750-3753

    • 査読あり
  • [学会発表] Molecular computing reaction in the cell-sized liposome2010

    • 著者名/発表者名
      庄田耕一郎
    • 学会等名
      日本生物物理学会年会
    • 発表場所
      東北大学川内キャンパス
    • 年月日
      2010-09-22
  • [学会発表] Development of molecular NAND gate as function module of autonomous computing system RTRACS2010

    • 著者名/発表者名
      庄田耕一郎
    • 学会等名
      日本生物物理学会年会
    • 発表場所
      東北大学川内キャンパス
    • 年月日
      2010-09-22

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公開日: 2012-07-19  

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