研究課題
当該年度においては、ビメンチン・デスミンのN-アセチルグルコサミン結合活性の詳細な検討を行った。ビメンチン・デスミンにおけるGlcNAc結合部位の同定を試みた。ビメンチン・デスミンは、中間径フィラメントと呼ばれるファミリーに属し、それぞれ相同性が高い。これらの中間径フィラメントのRod IbドメインとRod IIドメインの組み替えタンパク質を作成し、人工糖鎖高分子であるPV-GlcNAcへの結合活性を表面プラズモン共鳴解析や共焦点レーザー顕微鏡による解析によって検討した。その結果、Rod IIドメインがPV-GlcNAcに対して非常に高い相互作用を示すことが明らかになった。さらにRod IIドメインの組み替えタンパク質を利用してこのRod IIドメインを特異的に認識する抗血清を作製し、細胞表面におけるビメンチン・デスミンの局在を免疫染色によって調べたところ、Rod IIドメインが細胞表面に局在していることが明らかになった。このRod IIドメインは、他の中間径フィラメント(GFAPやperipherin)においても高い相同性をもっており、他の分子の細胞外出現とGlcNAc結合活性が考えられた。今後は、さらに詳細なGlcNAc結合部位を同定して、GlcNAc結合活性をもたない変異型のビメンチンを作製して詳細な機能について検討していく予定である。
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