研究課題/領域番号 |
20200021
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
市原 正智 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (00314013)
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研究分担者 |
竹内 環 , 生命健康科学部, 助手 (90392018)
村雲 芳樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40324438)
増田 章男 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10343203)
米田 誠 福井大学, 医学部, 准教授 (70270551)
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キーワード | 分子状水素 / 活性酸素 / 酸化ストレス / ヒドロキシラジカル / パーキンソン病 |
研究概要 |
昨年度より継続的に行ってきた、水素投与下における生体サンプルの検討より、生体内における水素動態を明らかにすることが出来た。ラットの外頚動脈および頸静脈よりカテーテルを留置し、経時的に血液を採取し水素吸入および水素水投与後の血中濃度を測定した。まず2%水素を吸入させたラットでは5分で水素溶存飽和量の50分の1程度の相当する14.4μMに動脈、静脈血ともに水素濃度が上昇した。次に0.65mMの水素水を4ml胃ゾンデでラットに投与し、経時的に動脈血、静脈血を採取し測定したところ静脈血では2分をピークに4μM前後の水素濃度の上昇が確認された。動脈血では2分にピークを見たが上昇は0.4μM程度に留まった。一方呼吸を停止させて動脈血を採取すると静脈血と同程度の上昇が認めたことより、静脈系の多くの水素は呼気より排出されると思われた。肝臓、腎臓における臓器水素濃度の推移も水素濃度計、ガスクロマトグラフィーを用いた検討とも血液の結果と同程度の上昇であった。また2%水素の吸入および水素水の摂取はNASHモデルマウスの肝臓において、酸化ストレスを軽減させることが可能であることを8-OHdG,4-HNEに対する免疫染色で確認することが出来た。これらの成果は現在投稿準備中である。一方klothoマウスを2%水素下で飼育したところ、寿命の延長効果は確認出来なかったが、ホモマウスに観察される異所性石灰化の減弱が観察された。さらに岐阜県国際バイオ研究所の伊藤雅史部長との共同研究で、即時型アレルギーの疾患モデル動物に水素水を自由摂取させることで組織障害及びアレルギー反応を抑制することを見いだした。この研究成果はBiochem Biophys Res Commun誌に掲載された。
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