研究概要 |
1.機能部位にシステインをもつキネシン変異体の調製 目的の部位に特異的にシステインを持つ変異体の発現ベクターに組み込んだcDNAを調製した。そして大腸菌を用いて目的の変異体を発現させた。そして精製したキネシン変異体の微小管依存性ArPase活性を測定して、生理的活性を保持していることを確認した。 2.フォトクロミック分子のキネシン変異体への導入とATPase活性の光制御 調製したキネシン変異体の目的の部位にフォトクロミック分子であるアゾベンゼン誘導体PAを導入した。そして紫外線一可視光線を照射して光可逆的な微小管活性化ATPaseを測定した。PAMで修飾した変異体A21C, R25C, G26CそしてS66Cは紫外線-可視光線で誘導されるcis-trans異性化に伴い可逆的にATPase活性が変化することが示された。 3.機能部位にシステインをもつ制御系生体分子機械、カルモジュリン変異体の調製 カルモジュリンの機能部位にフォトクロミック分子を導入するために目的の部位にシステインをもつカルモジュリン変異体(A57, N60C, D64C, M124C, M127C, A128C, M144C)を調製した。そして調製したカルモジュリン変異体が生理的な機能を保持していることを標的ペプチドであるM13を用いて確認した。 4.フォトクロミック分子のカルモジュリン変異体への導入と機能の光可逆的制御 カルモジュリン変異体にアゾベンゼン誘導体であるPAMを導入した。そしてPA-カルモジュリンに紫外線-可視光線を照射してM13ペプチドとの相互作用を調べた。変異体N60C,D64Cでは、紫外線照射-可視光線照射で可逆的にM13への結合が制御された。適当なカルシウム濃度条件下において、紫外線照射でM13に結合して可視光線照射で解離した。これに対してM124Cでは可視光線照射で結合して紫外線照射で解離することが示された。
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