本年度は、シロイヌナズナの膜輸送体候補遺伝子1400種類のうち、既に準備してある800種類の基本ライブラリについて、以下の方法で過剰発現株を作出し次年度以降の解析に備えた。 まず、パン酵母を800種類の膜輸送体候補遺伝子発現ベクター(作製済み)で個別に形質転換した。また、多元素感応性をもつ天然植物色素アントシアニンを異常蓄積するシロイヌナズナ変異体(pap1-D)を宿主として膜輸送体発現ライブラリを作製した。プールした植物発現ライブラリを用い、アグロバクテリウム法で形質転換した。薬剤選抜により1000株程度の形質転換株を得た。 また、膜輸送体過剰発現の効果を評価する手法を検討した。アントシアニンの性質を詳細に解析し、少なくとも20種類の無機元素イオンを検出可能であることを明らかにするとともに、生きた植物体の色調を観察するための方法を予備的に検討した。
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