研究課題/領域番号 |
20200039
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
栗政 明弘 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80343276)
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研究分担者 |
丹羽 太貫 放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 副センター長 (80093293)
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キーワード | 放射線治療生物学 / 生理活性物質 / 分子標的創薬 / DNA修復 / RNA工学 / RNAアプタマー / タンパク質リン酸化 / 癌治療 |
研究概要 |
がん放射線治療の際に細胞内で起こるシグナル応答の中で、放射線感受性に重要な数種のタンパク質とそれらのタンパク質に起こるリン酸化反応がある。これまで、リン酸化部位に結合するRNAアプタマーを、SELEX法を用いて合成・選択を行い、その手法の確立を目指してきた。これらのリン酸化部位特異的なRNA分子を阻害剤として細胞に直接投与し、細胞応答に変化を来すかを検証する。最終的に効果のあるアプタマーを組み合わせて、ウイルスベクターを介してがん細胞および正常細胞に投与し、癌細胞特異的に放射線の感受性を高めるセットをスクリーニングする。すなわち、がん放射線治療の際の増感剤として利用する分子標的創薬をRNAアプタマーで行い、新しいがん放射線療法の開発を目指す。 細胞の放射線感受性に重要なタンパク質DNA-PKcsに対して、放射線照射に伴いリン酸化反応が起こる部位に結合するRNAアプタマーを、SELEX法を用いて改良を加えた新しいオリゴライブリーから合成・選択を試みた。新しいオリゴライブラリーからのSELEX法による選別は、目的のアプタマーの安定した合成に有効であったが、一方でリン酸化ペプチドに特異的に結合せず、非特異的に増幅されるアプタマーが多数混在し、通常のプラスミドベクターへのクローニングと配列解析では目的のアプタマーが得られないことが確認された。この問題を解決するために、合成したアプタマーを次世代シークエンサーを用いて大量に配列解析する必要性が出てきた。本年度は、次世代シークエンサーを用いた解析の準備を進めた。
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