研究課題/領域番号 |
20200047
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研究機関 | 独立行政法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
陣 英克 独立行政法人情報通信研究機構, 電磁波計測研究センター 宇宙環境計測グループ, 専攻研究員 (60466240)
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研究分担者 |
三好 勉信 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20243884)
藤原 均 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50298741)
品川 裕之 独立行政法人情報通信研究機構, 電磁波計測研究センター 宇宙環境計測グループ, 主任研究員 (00262915)
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キーワード | 気象学 / 超高層大気 / 電離圏 / 地球変動予測 / シミュレーション / 対流圏 / 熱圏 / モデル結合 |
研究概要 |
本研究では、世界初となる大気圏-電離圏統合モデルを開発する。そして、長年未解決であった電離圏日々変動のメカニズムの解明や、超高層大気の数値予測システムの構築に挑戦する。本年度は当初の計画に基づき下記を実施した。 1、大気圏-電離圏統合モデルの改良 前年度に大気圏、電離圏、ダイナモモデルを結合し、入出力データの双方向化を完了した。今年度は、さらに計算条件・設定を統一化するため、モデル問で共通する部分の共有化(具体的には共有座標変換モジュールの開発、極域電場分布や地球磁場形状の共有化)を実施した。また、モデルの検証として、本モデルと別の電離圏モデルの同じ条件下における計算結果を比較した。これにより、モデルの問題点の抽出と改良を行った。 2、大気圏-電離圏相互作用の物理機構の解析 大気圏-電離圏統合シミュレーションによって、下層から超高層大気への影響や熱圏-電離圏の相互作用の影響と見られる現象が再現される事が分かった。これらは、世界初の全地球大気を解く数値モデルの結果として非常に興味深く、解析を続けて投稿論文を出す予定である。 3、現実的な地球磁場形状への対応 前年度に国際標準磁場モデル(IGRF)に基づく地磁気座標系の導入手法を検討した。今年度は、検討したアルゴリズムの実装を行い、大部分の作業を終えた[陣、情報通信研究機構季報、2009]。 4、対流圏・成層圏の気象客観解析データの入力手法の開発 気象庁などが提供する対流圏・成層圏の客観解析データを大気圏-電離圏統合モデルの下層大気部分の初期値として入力する手法を開発した。具体的には、ナッジング処理を行って、大気圏モデルに気象データを組み入れるようにした。テスト計算では、現実の成層圏突然昇温の熱圏への影響など興味深い現象が再現されている。次年度に本格的に気象データを取り入れた長期計算を行い、本研究の主目的を実現する予定である。
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