研究課題
新学術領域研究(研究課題提案型)
面不斉フェロセニルホスフィンなどの不斉配位子に代表されるように、「面不斉」を有する化合物は効果的な不斉テンプレートであり、有用な不斉触媒・不斉試薬として利用されている。このような面不斉化合物の有用性にもかかわらずその触媒的不斉合成の成功例はほとんど無かった。本研究では、不斉メタセシス反応を利用して種々の面不斉メタロセン類を触媒的に不斉合成する様々な手法の開発に成功した。具体的には、面不斉ラセミ体化合物の速度論分割、およびプロキラルなホスファフェロセン類の非対称化である。さらには、面不斉(アレーン)クロム錯体の速度論分割にも成功し、我々の開発した手法が、メタロセン基質のみならず他の面不斉遷移金属錯体の不斉合成へも応用可能であることを示した。
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