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2010 年度 実績報告書

心血管ストレスの感知機構としてのインフラマソームの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20200077
研究機関自治医科大学

研究代表者

高橋 将文  自治医科大学, 医学部, 教授 (40296108)

キーワード炎症 / マクロファージ / 心臓 / 虚血再灌流 / 骨髄細胞
研究概要

最近、自然免疫においてインフラマソームと呼ばれるシグナル分子複合体が炎症惹起における病原体や痛風結晶の認識センサーとして働いていることが発見された。本研究課題により、心筋虚血再灌流後のインフラマソームの活性化とその機序について解析を行い、これまでインフラマソーム中心構成分子であるASCの発現が傷害心筋で亢進し、そのノックアウト(KO)マウスでは傷害心筋での炎症反応(炎症細胞浸潤と炎症性サイトカインの発現)と心筋梗塞領域が軽減することを明らかとしてきた。本年度は、このインフラマソームの活性化機序の解明を目的に研究を実施した。マウス骨髄置換モデルを用いた検討により非骨髄由来細胞でのインフラマソームが重要であること、虚血再灌流後の経時的な観察により骨髄由来細胞(炎症細胞)が浸潤する前から傷害心筋においてインフラマソームの活性化が認められることの2つの結果を得た。このことから、心臓に存在する心筋細胞あるいは心線維芽細胞が重要な役割を果たしているとの仮説を立て、これらの初代培養細胞を作成して検討したところ、心筋細胞ではなく、心線維芽細胞でのインフラマソーム活性化が重要であり、その活性化がKイオンの流出と酸化ストレスを介していることを見出した。本研究により、心虚血再灌流傷害で生じる炎症がインフラマソームを介しており、その炎症惹起には心線維芽細胞が主役を演じていることが初めて明らかとした。今後、心線維芽細胞におけるインフラマソームを制御標的とした新たな治療法が開発されることが期待される。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Inflammasome activation of cardiac fibroblasts is essential for myocardial ischemia reperfusion injury.2011

    • 著者名/発表者名
      Kawaguchi M, Takahashi M, Hata T, Kashima Y, Usui F, Morimoto H, Izawa A, Takahashi Y, Masumoto J, Koyama J, Hongo M, Noda T, Nakayama J, Sagara J, Taniguchi S, Ikeda U.
    • 雑誌名

      Circulation

      巻: 123 ページ: 594-604

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Critical role of Th17 cells in inflammation and neovascularization after ischemia.2011

    • 著者名/発表者名
      Hata T, Takahashi M, Hida S, Kawaguchi M, Kashima Y, Usui F, Morimoto H, Nishiyama A, Izawa A, Koyama J, Iwakura Y, Taki S, Ikeda U.
    • 雑誌名

      Cardiovasc Res

      巻: Jan11(in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Immature erythroid cells : a new source for therapeutic angiogenesis?2010

    • 著者名/発表者名
      Takahashi M.
    • 雑誌名

      J Mol Cell Cardiol

      巻: 49 ページ: 341-342

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of the SDF-1/CXCR4 system in myocardial infarction.2010

    • 著者名/発表者名
      Takahashi M.
    • 雑誌名

      Circ J

      巻: 74 ページ: 418-423

    • 査読あり
  • [学会発表] Role of inflammasome in cardiovascular diseases.2010

    • 著者名/発表者名
      Takahashi M, Taniguchi S.
    • 学会等名
      14^<th> International Congress of Immunology
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20100822-20100827
  • [学会発表] Role of inflammasome in cardiovascular diseases.2010

    • 著者名/発表者名
      Takahashi M.
    • 学会等名
      International Academy of Cardiology, 15^<th> World Congress on Heart Disease
    • 発表場所
      バンクーバー(カナダ)
    • 年月日
      20100723-20100727
  • [備考] 研究内容・成果に関するWebページ

    • URL

      http://www.jichi.ac.jp/bioimaging/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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