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2008 年度 実績報告書

細胞内細菌処理機構からみた腸管粘膜免疫システムの解明と炎症性腸疾患治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20200080
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

井上 詠  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00232546)

研究分担者 岡本 晋  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70255446)
久松 理一  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60255437)
キーワード炎症性腸疾患 / 粘膜免疫 / 腸内細菌 / オートファジー / マクロファージ / 自然免疫 / クローン病 / 細胞内寄生菌
研究概要

クローン病の病態において、どのような腸内細菌がどのようなメカニズムでマクロファージ(Mφ)を活性化し炎症を惹起するのか、という命題に対して「腸管Mφ内での処理異常による活性化のトリガーが細胞内寄生菌ではないか」という仮説をたて、腸内Mφおよび腸管粘膜、粘膜内Mφを分子生物学的に解析することにより細胞内寄生菌の関与を明らかにするとともに、クローン病患者Mφでのオートファジー機能異常と細胞内寄生菌に対するMφの反応異常について明らかとすることを目的とした。研究初年度である本年度は、炎症性腸疾患患者の糞便フローラ解析を定量PCR法および粘膜組織を用いたFISH法にて開始すると同時に、腸管Mφの細菌刺激に対する機能解析に重点を置いて研究を進めた。
まず、腸管粘膜より粘膜固有層単核細胞(lamina propria mononuclear cells ; LPMC)を分離し、フローサイトメトリーにより、CD14陽性Mφサブセットの存在割合、表面抗原発現解析を行ったところ、炎症性腸疾患患者、特にクローン病患者腸管粘膜においてCD14陽性細胞が著明に増加していた。つぎにLPMCよりCD14陽性Mφを単離し、腸内細菌抗原であるEscherichia coli, Enterococcus faecalisにより刺激し、産生されるサイトカインを測定したところ、クローン病腸管粘膜より単離したCD14陽性Mφは、正常部腸管粘膜や潰瘍性大腸炎患者由来の同一サブセットと比較して、腸内細菌刺激により、多量のIL-23, TNF-αを産生することが示された。
これらの結果より、炎症性腸疾患、特にクローン病における腸管Mφの病的役割が明らかとなった。また、CD14陽性腸管Mφから産生されるIL-23が、クローン病の腸管炎症において重要な役割を担っていることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Exacerbating role of gammadelta T-cells in chronic colitis of T-cell receptoralpha mutant mice2008

    • 著者名/発表者名
      Nanno M, Inoue N, et.al.
    • 雑誌名

      Gastroenterology 134

      ページ: 481-490

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Unique CD14 intestinal macrophages contribute to the pathogenesis of Crohn disease via IL-23/ IFN-gamma axis2008

    • 著者名/発表者名
      Kamada N, Hisamatsu T, et.al.
    • 雑誌名

      J Clin Invest 118

      ページ: 2269-2280

    • 査読あり
  • [雑誌論文] IL23 differentially regulates the Th1/Th17 balance in ulcerative colitis and Crohn's disease2008

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi T, Okamoto S, et.al.
    • 雑誌名

      Gut 57

      ページ: 1682-1689

    • 査読あり
  • [学会発表] クローン病における腸管マクロファージの腸内細菌認識異常-IL-23を中心とした慢性炎症サイクルー2008

    • 著者名/発表者名
      久松理一、井上詠、他
    • 学会等名
      第45回日本消化器免疫学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-07-04

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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