研究分担者 |
開 一夫 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (30323455)
板倉 昭二 京都大学, 文学研究科, 准教授 (50211735)
西尾 修一 国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 研究員 (80418532)
中西 英之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70335206)
中村 泰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70403334)
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研究概要 |
本研究では,申請者と酷似した遠隔操作型アンドロイド,ジェミノイドの機能開発と,認知科学的手法および脳科学的手法によるジェミノイドを用いた存在感の研究,認知科学的研究を展開することを目的としている. 本年度では,ジェミノイドを用いた認知科学的実験を推進するとともに,劣化してきた,ジェミノイドシステムを改良した.また,より現実的な場面において脳計測を可能とする脳波計測装置や光トポグラフィーシステムを用いた研究に取り組んだ. ジェミノイドシステムにおける動作統合システムの開発に関しては,より自然な動作,より自然で負担の少ない遠隔操作を実現するためのシステム開発に着手した.具体的には,パーソナルコンピュータ一台で従来のジェミノイドシステムと同様に操作可能なシステムを実現し,イタリアのパドバ大学からの遠隔操作により,ジェミノイドが操作可能であることを実証した.この実験の様子は,イタリアの新聞でも報道された. また,ジェミノイドシステムの問題の一つは,カメラの配置にあった.従来は,遠隔操作者のジェミノイドを見る視点と,訪問者を見る視点の2つの視点を再現するように,ジェミノイドの周辺にカメラを設置していた.これに対して今回の改良では,ジェミノイドの目の付近に超小型カメラを設置し,遠隔操作者がジェミノイドの視線で観察できるようにした.さらに,インターフェースだけではなく,より高い臨場感を得るため,顔により豊かな表情をもたらすための改良を行った. 一方,誰がジェミノイドを遠隔操作しても,まるでその体が自分の体であるかのように感じる強い引き込み感について,脳科学的研究,および認知科学的研究に着手した,脳科学的研究では特に,光トポグラフィーの実験を行い,計測における問題点やタスク設定の方法を模索した.またビデオ撮影した映像を用いたfMRIによる脳反応の計測も試みた.認知科学的実験では,実際のシステムを用いた実験を通して,その強い引き込み感が得られていることを確認した.
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