研究分担者 |
開 一夫 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (30323455)
板倉 昭二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50211735)
西尾 修一 国際電気通信基礎技術研究所, 社会メディア総合研究所, 研究員 (80418532)
宮下 敬宏 国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 研究員 (50332771)
神田 崇之 国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 研究員 (90374107)
|
研究概要 |
23年度では,22年度に引き続き,遠隔操作システムおよびインターフェースの研究,ジェミノイドを用いた認知科学・脳科学研究に取り組むとともに,強い引き込み感をもたらす,ジェミノイドのミニマルデザインであるテレノイドの対人および社会関係における実験に取り組んできた. 遠隔操作システムおよびインターフェースの研究においては,音声から唇動作を生成する機能に,さらなる改良を加えるとともに,ボイスチェンジャ等を導入し,より円滑な遠隔操作を実現してきた.また,一方で,キネクトを用いたジェスチャ認識システム等を導入し,ジェミノイドの自律機能の開発を進めてきた. ジェミノイドを用いた認知科学・脳科学研究は,ジェミノイドHI1だけでなく,ジェミノイドFも用いて,感情豊かなアンドロイドに対する操作者や訪問者の適応について,様々な実験を行った.例えば,操作者の適応に関しては,ジェミノイドに適応した場合の体性感覚マップに関する研究を行った.現在,論文等の執筆に取り組んでいる. 一方,計画していた訪問者とジェミノイドの相互作用の中でEEGを用いる研究については,予備的な実験を繰り返して,EEGで計測可能な脳科学的現象の同定に力を注いできた.今後本格的な実験に取り組む. また,ジェミノイドのミニマルデザインであるテレノイドの開発をさらに進めた.その結果ハードウエアの開発は終了し,それを用いてジェミノイドと同様の認知心理学的実験によって,ミニマルデザインの効果を確かめてきた. 〔連携研究者〕(独)産業総合研究所松本吉央存在感ロボットの設計
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は,システム開発,認知・脳科学的評価,ミニマルデザインの検討という3つの項目に分かれている.その中で,システム開発とミニマルデザインの検討はほぼ修了した.一方で,認知・脳科学的評価においては,特にEEG等の脳計測装置を用いた実験の準備に予想以上に時間がかかっていること,また,認知心理的実験の結果のとりまとめに,時間を要していることから,全体としては,おおむね順調に進展していると評価した.
|
今後の研究の推進方策 |
ジェミノイドを用いた実験はその統制の難しさにある.その問題に苦労をしながらも,昨年度は特にジェミノイドFを用いた多くの実験を行った.今後はその結果を論文にまとめる.また,EEGを用いた研究も,予想以上に信号の弱さに苦労しているが,最終年度では,EEGによるジェミノイドの制御を実現させたい.
|