研究課題
本研究の目的は、意識や内省と呼ばれる自身の心の内部への能動的アクセスの発生過程を、広範な種比較と発達比較により実証的に検討し、それを通じて他者理解のメカニズムを明らかにすることである。24年度藤田は、刺激の場所と内容の複合記憶課題を用いて、フサオマキザルが記憶内容の詳細をメタ認知できる可能性を示した。また5歳児は、宝探しゲームで困難な課題が予測されるときには、隠しているところをカーテンの隙間からより長時間盗み見し、予見的情報希求をすることがわかった。その他、イヌの偶発的記憶の利用、ヒトに対する社会的働きかけと遺伝子の関係、ニワトリのツェルナー錯視におけるヒトとの種差、等を示した。板倉は、4-9歳児の文脈に対する感受性の変化を検討した結果、この感受性は年齢とともに高まるが、日本の子どもは米国の子どもより感受性が高いことがわかった。また成人では、形成された行為と結果の連合は両方向性のものであること、またその連合は,アイコンタクトにより調整されることを示した。明和はヒトとチンパンジーの社会的認知の特性を、情報処理メカニズムの差異から解明した。目的指向的行為の観察時の視線を計測すると、ヒトは乳児、成体ともに、操作される物だけでなく他者の顔にも注意を向けるが、チンパンジーは物への偏った注意をみせることを明らかにした。チンパンジーは、操作される物の情報を手がかりとして行為の目的を推論するが、ヒトは生後1歳頃から、ものと他者の心的状態との情報を統合して目的を推論するのではないかという仮説を提唱した。平田は、チンパンジーが既知の他者、未知の他者、及びその合成顔に対する視線を計測し、「不気味の谷」現象が見られるのか検討した。また、チンパンジーでは情動的な画像と中立的な画像を見たときの事象関連脳電位が異なること、胎児期の脳の発達のヒトとの違いが胎齢20週頃に顕著に現れることなどを示した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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