研究課題/領域番号 |
20220005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 邦嘉 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (10251216)
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研究分担者 |
佐々木 倫子 桜美林大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80178665)
古石 篤子 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (20186589)
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研究期間 (年度) |
2008-05-12 – 2013-03-31
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キーワード | 言語 / 脳機能 / 機能イメージング / 文法 / バイリンガル教育 / バイリテラシー / 言語環境 / 書記日本語評価プログラム |
研究概要 |
酒井担当のろう者を対象としたfMRI研究では、約30名の参加者の脳機能および行動データの解析に基づき、単語・文・文脈レベルにおける言語処理について、左前頭皮質における空間的な統合を明らかにした。これらの処理レベルに対応した言語課題の遂行時の脳活動を計測したところ、左前頭皮質において活動が背側から腹側方向にかけて拡大することが初めて明らかになった。また、各個人の課題成績と局所灰白質体積の相関関係を調べたところ、課題ごとに異なる脳領域において、両者に強い相関が認められた。この成果は、言語処理の普遍性と個人差という両方の観点から、脳の機能的研究と解剖的研究を融合するという大きな意義があり、論文発表済みである。 佐々木担当の2012年の実績は三点ある。第一に、ろう児の書記日本語能力の育成と評価のため、新たに日本語評価システムを作成・実施し、論文を発表した。第二に、書記日本語能力の育成に関して、IT利用の育成を考え、携帯メールを利用した書記日本語能力の育成と評価「携帯メールプロジェクト」をろう学校教員の協力のもと実施して、学会発表と論文発表をおこなった。第三に、言語的・文化的マイノリティとしてのろう者の存在をテーマとする書籍『ろう者から見た「多文化共生」-もうひとつの言語的マイノリティ-』を刊行した。 古石担当の研究では、ろう児のバイリテラシー育成に関して、国際的なレベルでの意見交換、および教育の実態調査を積極的に行った。まず、2012年度は国際シンポジウムを2つ開催し、アメリカ合衆国とフランスからろう教育の専門家を招き、日本でのろう教育関係者も交えて、重要なポイントや問題点について議論した。シンポジウムでの知見にもとづき、年度末には、日本ではあまり知られていないフランスの異なる種類のバイリンガル教育の現場の調査を行った。2013年度は、その調査結果を日仏教育学会において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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