研究課題
北極海において、マイクロ波放射計データSSM/Iによる薄氷厚アルゴリズムを開発し、それを元に北極海全域でははじめての海氷生産量マッピングを行った。北極海ではノースウォーターポリニヤが最大の海氷生産率を持つことが示された。また、従来用いられてきたSSM/Iより分解能が倍のAMSRを用いて、より高分解能の海氷生産量マッピングを行い、すでに完成させたオホーツク海に加え、南極海と北極海においても予備的なAMSRによる海氷生産量マッピングを提示した。岸近くの海氷生産量が高い海域がよく分解されるため、SSM/Iの場合に比べ、生産量は高く(より正確に)見積られる。一方、海氷密接度や海氷漂流速度の情報も取り入れ、海氷過程に伴う塩フラックスを求める試みも開始した。これら海氷域での海氷生産量及び熱塩フラックスデータを整備し、我々研究グループのホームページからデータを配信することを開始した。昨年度の観測では、南極海で2番目に高い海氷生産量を持つケープダンレー沖が未知の南極底層水(世界の底層に広がる一番重い水)の生成域であることを明らかにしたが、今年度はさらに解析を進め、海底峡谷では底層水の流出が4日周期で生ずるなどの新知見を得た。ここのポリニヤ内において、2010年2月に第51次日本南極観測隊により、海氷厚や海氷生産を直接観測する係留系を設置した。同様の係留系を、北極チャクチ海沿岸ポリニヤにおいても、2009年8月にアラスカ大と共同で設置した。これらが回収されると、沿岸ポリニヤ過程の理解が大いに深まることの他に、今まで得られたことのないポリニヤ内での高精度の海氷衛星トゥルースデータが取得できることになり、海氷生産量アルゴリズムの精度が一気に上がることが期待される。この他、過去に取得された、南極海の海水サンプルの同位体解析を行い、南極底層水と海氷生成・棚氷融解の関係を調べた。
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