研究課題
原子や分子をナノスケールの精度で操作し、新ナノ物質を思い通りに作り上げるためには、ナノスケールでの物質の自然法則を解明し、これを未来の実用技術に発展させる基礎研究が不可欠である。しかし、これまで、絶縁体表面での原子スケールの安定かつ再現性のある原子分子操作は実現されていない。そこで、本研究は、「複合極限場(極低温、強磁場、超高真空)環境で動作する現有の非接触原子間力顕微鏡を駆使して、絶縁体表面上で原子や分子を力学的に操作する未踏の技術を確立すると共に、ナノ構造体の新規な物性を探索する」ことを目的とする。本年度は、以下のような成果を得た。1)原子操作により絶縁体表面にナノ構造体を構築力学的な原子操作の制御条件と機構解明の成果を生かして、実際に絶縁体表面上の原子を力学的に操作して、ナノ構造体を構築した。2)磁気交換相互作用を分離測定する方法を考案・実証ナノ構造体の磁気的性質を理解するために最も重要なものは、原子間の磁気交換相互作用である。申請者は、磁気交換力顕微鏡において、この磁気交換相互作用だけを測定する方法として、強磁性体をコートした探針先端に変調されたマイクロ波を照射し、探針の磁化状態を強磁性共鳴により変調し、探針・試料間相互作用力の変調成分を抽出するという着想に至った。強磁性体(PtFe)コートされた顕微鏡探針に周波数が約2.7GHzのマイクロ波を照射することにより、探針の磁化状態を変調できることを実験的に検証することに成功した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
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