(1)少数スピンの緩和過程の解明を目的として、ナノスクイッドの開発を進める。 (2)InAs量子ドットで結合した超伝導磁束量子干渉計(SQUID)を実現し、光系と超伝導系の間の量子インターフェースの基礎を確立する。そのための、光系と超伝導系の間の古典的結合を確認する。具体的には、量子ドットに光を照射し、ドット中にスピンを励起し、これによって、量子ドット接合がπ-接合となることを確認する。次に、光系の光子のあるとない状態の量子重ね合わせ状態を、SQUID系のπ-接合と通常接合の量子力学的重ね合わせ状態への転写をおこなう。 (3)さらにスクイッドのデバイス展開という観点から、研究計画の途中から、ナノスクイッドを用いた物性探索を新たに加えることとした。具体的には、非S波超伝導体と考えられているRu-Sr2RuO4共晶と従来型超伝導であるNbで超伝導ループを構成したハイブリッドナノスクイッドを作製しカイラルP波超伝導体に特徴的なπ-SQUID状態、半整数量子渦状態のSQUIDによる検出を目指す。
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