研究課題
1)染色体機能解析TET蛋白によってメチルシトシンから生成されるハイドロキシメチルシトシン(hmC)の量的変動の局在についての解析系を確立した。成人組織にもかなりの量のhmCが存在しており、hmCに対する抗体を用いて免疫沈降されたDNA断片のシーケンス解析を行ったところ、遺伝子領域に多い傾向が認められた。chromatin accessibilityを反映するFAIRE解析(Formaldehyde Assisted Isolation of Regulatory Elements)によりオープンクロマチン領域に高頻度に認められた配列モチーフから、脂肪細胞分化を制御する転写因子として新たにNF1を同定した。p53により免疫沈降されるクロマチン領域についてChlA-PET法によるクロマチン相互作用の同定を進め、エンハンサー部位とプロ-モーター領域の間の相互作用が検出された。発現誘導の強い遺伝子では相互作用が顕著であり、H3K27Ac修飾が認められた。2)転写制御ネットワークの統合解析膵臓癌15例の全exomeによる変異解析ではKRAS(100%)、SMAD4(60%)、TP53(80%)、p16(67%)の4遺伝子の変異に加えて、ミスマッチ修復遺伝子MLH1の片側アレルの欠失によりindel変異頻度の上昇が認められ、haploinsufficiencyをもたらすと考えられる。同様の影響は腎細胞癌でも確認された。膠芽腫で染色体13q21のホモ欠失領域に含まれる遺伝子DACH1が、脳腫瘍細胞の増殖を低下させ、皮下及び脳室内での腫瘍形成を抑制することを示し、DACH1が膠芽腫の腫瘍抑制遺伝子であることを示した。EBウイルス胃癌ではDNAメチル化が高度に生じており、胃癌細胞株へのEBV感染によってゲノム全体にDNAメチル化が誘導されることを示した。
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