研究課題
非線形数理モデルに関する計算機援用証明技法とその関連課題につき恒常的に検討を行い、以下の成果を得た。また、平成22年度経費を繰り越すことによって、23年11月に国際研究集会を開催し、海外からの参加を得て研究討論とレビューを行い、研究の新たな方向付けを見いだした。1.非線形微分方程式に対する数値的検証法について次の成果を得た。(中尾)(1)線形楕円型作用素の逆作用素に対する効率よいノルム計算法を開発した。(2)シュレディンガー作用素の固有値非存在の数値的検証を実現し、その有効性を実証した。(3)解の局所一意性に対する数値的検証について新たな定式化とその実例を示した。(4)線形放物型作用素の逆作用素評価に関する新たな手法を定式化し、その数値例を与えた。(5)常微分方程式の初期値問題の解に対するニュートン型手法を用いた数値的検証に関する知見を得た。2.反応拡散方程式に現れる進行波解のダイナミクスを調べるための有効な理論を確立した(栄)3.常微分方程式の周期解の線形数値的安定性解析と、津波などの非線形水波の数値計算上における特異点処理方式を開発した。(村重)4.2次元有界領域における反応拡散方程式のノイマン問題の定常解に対する数値的検証を実現(長藤)5.気液二相流など混相流問題の有限要素計算において、エネルギー安定性が考慮された数学的に正当な計算法として、エネルギー安定特性曲線有限要素スキームを開発した。(田端)6.並行Poiseuille流れの安定性問題から導かれる非自己共役複素固有値問題の固有値の非存在範囲を効率的に特定する手法を開発し、その有効性を実証した。(渡部)7.常微分方程式の精度保証技法に関する研究を行い、積分方程式に変換した後、数値積分とその誤差評価に基づく精度保証を提案し実際問題に適用し、その有効性を確認した。(山本)
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