研究課題/領域番号 |
20224002
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
梅村 雅之 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70183754)
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研究分担者 |
吉川 耕司 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (70451672)
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キーワード | 宇宙第一世代天体 / 銀河形成 / 銀河進化 / 宇宙暗黒時代 / 輻射流体力学 / 輻射輸送 / 並列計算機 / 専用計算機 |
研究概要 |
第一世代天体形成に関し、宇宙シミュレータFIRSTを用い、輻射輸送過程、非平衡原子・分子反応過程などの物理過程を忠実に採り入れた大規模流体シミュレーションを実行し、第一世代天体の質量がダークマター・カスプの影響により従来考えられていた質量より1桁以上小さくなることを見出した。また、これまでの計算と異なり、一つの天体内で複数の初代星が誕生する可能性のあることを示した。さらに、第一世代天体の中で最初に作られた星からの紫外線輻射によるフィードバック効果を、3次元SPH輻射流体法によって詳細に調べ、第一世代天体の中で次世代の星形成が可能になる条件を導出した。また、輻射流体力学的効果により、次世代の星の質量が数10太陽質量まで下がる可能性のあることを明らかにした。さらに、原始銀河形成に関し、高赤方偏移ライマンα輝線天体の理論モデルを構築し、従来の理解通りの初期スターバーストを起こしているライマンα輝線天体以外に、比較的進化の進んだ銀河における後期スターバーストでライマンα輝線天体となる場合があることを見出し、前者をTypeIライマンα輝線天体、後者をTypeIIライマンα輝線天体と名付けた。また、原始銀河からの電離光子の脱出に関し、3次元輻射輸送計算を行い、ライマンα輝線天体段階からライマンブレーク銀河段階への進化過程における電離光子の脱出確率を導出し、宇宙再電離に果たす寄与について解析した。
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