研究課題
銀河中心の超巨大ブラックホールがどのように形成されたか,また宇宙論的な階層的銀河形成の枠組みとどのように整合するかは未だに明らかにされていない。冷たいダークマターモデルに基づく階層的銀河形成シナリオでは,銀河はより小さな銀河の合体によって形成されるため,合体後の銀河には複数の巨大ブラックホールが存在することになるが,銀河中心には超巨大ブラックホールが一つだけ観測されている。我々は1つの銀河の中に取り込まれた複数の巨大ブラックホールが合体によって超巨大ブラックホールへと成長しうるかを,宇宙シミュレータFIRSTを用いた高精度N体計算によってシミュレートした。その結果,銀河の速度分散がある値以上になると,巨大ブラックホールの連続的合体が起こることを明らかにした。そして,この結果をライマン・アルファ輝線天体の光度関数と比較することで,明るいライマン・アルファ輝線天体では巨大ブラックホールの合体が起こっている可能性の高いことを明らかにした。これは,宇宙シミュレータ FIRSTを1年近く占有して得られた成果である。また,銀河中心の超巨大ブラックホール周囲からの超高速噴出流(UFO)が母銀河の星間物質に及ぼす力学的フィードバックを,高精度流体計算によって調べた。その結果,噴出流の運動量による負のフィードバックが支配的になることを明らかにした。また,母銀河が円盤状の場合,乱流的な降着流を引き起こし,負のフィードバックが弱まることを明らかにした。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (9件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
巻: 440 ページ: 652-662
10.1093/mnras/stu363
The Astrophysical Journal
巻: 785 ページ: 64 (1-12)
10.1088/0004-637X/785/1/64
巻: 762 ページ: 116 (1-18)
10.1088/0004-637X/762/2/116
The Astrophysical Journal Letters
巻: 763 ページ: L18 (1-5)
10.1088/2041-8205/763/1/L18
巻: 779 ページ: 53 (1-12)
10.1088/0004-637X/779/1/53
New Astronomy
巻: 19 ページ: 74-88
10.1016/j.newast.2012.08.009
http://www.rccp.tsukuba.ac.jp/Astro/index-j.html