研究課題
本研究計画では、新しく発明してJST-CRESTで5年間開発してきた立体光電子顕微鏡StereoPEEMや、その過程で新しく発明された楕円メッシュニ次元分析器を完成して、顕微鏡機能を使って試料の拡大像を観測し、微小領域だけからの二次元光電子分光を行ない、微小領域の電子状態と原子構造を立体的に観測することを目的とする。研究対象としては、表面新物質などをとりあげ、単一微小領域だけからの二次元光電子分光を行ない、微小物質特有の低次元・量子機能の電子状態と原子構造からの解明をめざす。平成20年度においては、1.楕円メッシュの高精度作製法の開発、2.立体光電子顕微鏡StereoPEEMの開発の継続とテストデータの取得、3.楕円メッシュ二次元分析器の開発の継続とテストデータの取得、を行うことを目標として研究を実施した。1.楕円メッシュの高精度作製法の開発高める精度の内容は、「楕円全体の形の精度」、「微小穴の形」、「穴の小ささ」の3つあるが、本年度は「楕円全体の形の精度」を高めるため、3次元高精度加工機を購入し、その操作法を習熟した。テスト部品の試作では10μm程度の精度での加工に成功したので、今後も習熟を進め、定常的に10μm程度の精度で曲面を加工できるようにする。2.立体光電子顕微鏡StereoPEEMの開発の継続とテストデータの取得組み立てた初段レンズを装置に組み込み、収束X線源を取り付けてテストしている。X線を集光するミラーには多層膜を最適な膜厚でコートしてあるが、表面粗さが問題のようで反射率が小さすぎて試料上でのX線が弱すぎる。強くなるように検討している。3.楕円メッシュ二次元分析器の開発の継続とテストデータの取得装置の設計を行う実験補助者を雇い、真空槽の設計とレンズ部品の設計を進めた。ほぼ構想が完成している。
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すべて 雑誌論文 (24件) (うち査読あり 24件) 学会発表 (49件) 備考 (1件)
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