研究課題
本研究計画では、新しく発明してJST-CRESTで5年間開発してきた立体光電子顕微鏡StereoPEEMや、その過程で新しく発明された楕円メッシュ二次元分析器を完成して、顕微鏡機能を使って試料の拡大像を観測し、微小領域だけからの二次元光電子分光を行ない、微小領域の電子状態と原子構造を立体的に観測することを目的としている。平成22年度においては、楕円メッシュ二次元分析器の開発をほぼ完成させ、テストデータの取得までを行うことを目標として研究を実施した。昨年度までに真空槽の設計とレンズ部品の設計が終わり、発注してレンズの組み立ても終わっていた。今年度は、実際に組み立てたレンズを真空槽の中に入れ、配線を作成して接続した。試料を走査するマニピュレータの先に、試料ホルダーを保持するレセプターを設計製作して設置して配線した。無限回転しても配線が切れたり外れたりしない機構を考えて製作した。真空に引いて実験室でテストを行った。真空に引くためのベーキングシステムを構築し、一週間程度のベーキングを行って超高真空にした。電子銃を励起源に用いて、試料の拡大像を得るテストを行った。装置を放射光施設(SPring-8)に運び込み、放射光を励起光として実験を行った。光電子分光のピーク幅から全分解能を見積もり、0.2%という高い値を確認することができた。試料の拡大像も25ミクロンの分解能で得ることができた。角度分布は、専用の測定ジグを設計製作し、テストを行い、±45度までの角度分布がきれいに測定できた。単結晶Si(111)面からのSi2p光電子回折パターンの取得に成功した。以上のように、大変順調に研究が進んでいる。成果が得られたため、学会発表も多数行った。
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