ビッグバン直後の宇宙の姿、クォーク・グルーオンプラズマ(QGP)状態の研究は自然科学の重要な課題である。 QGP状態を実験室で生成し、その性質を研究しようという実験的研究が米国ブルックヘブン国立研究所(BNL)RHIC加速器と欧州共同原子核研究機構(CERN)LHC加速器において進められている。RHICにおいてQGP生成が確認され、より高エネルギー衝突実験が行われるLHCにおいてQGP物性の研究へと新たなフェーズに移りつつある。 QGP物性にはジェットの研究が効果的である.高運動量パートンがQGP中で作る衝撃波の角度からは「音速」を測定できる。また高運動量パートンがQGP相を通過する際のエネルギー損失量からグルーオン密度など物性を知ることが出来る。 ジェット識別測定が今後の研究の主流となる。そのため、ジェット、特にDi-Jetの測定と反応平面に対する方位角異方性(v2)の相関測定が極めて有効かつ重要である。
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