研究課題
これまでに、温度によりキラル反転可能な不斉液晶場を開発し、ヘリカルポリアセチレンをはじめとするらせん状共役ポリマーの合成とキラル制御を実現してきた。最終年度である当該年度においては、不斉液晶場の用いた電解重合への展開と、新たに、光によりキラル反転する不斉液晶を合成し、化学重合および電解重合への展開を行った。具体的成果は以下の通りである。(1)温度制御型不斉液晶を電解重合の溶媒として用いて、低温および高温においてヘリカルポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)の合成を行い、温度変化によるPEDOTのヘリカルπスタック構造のらせん制御を達成した。(2)軸不斉キラル部位とジチエニルエテンなどの光応答性部位を結合させたキラル化合物を合成した。これをドーパントしてネマチック液晶に加え、キラルネマチック液晶を調製した。当該液晶への紫外光および可視光の照射により、ドーパント分子のジチエニルエテン部位は開環および閉環を繰り返し、光異性化反応を示すとともに、液晶のキラリティが可逆的に反転することを見出した。(3)開発した光制御型不斉液晶を用いて、らせん状芳香族共役系コポリマー、ポリビチエニレンフェニレン誘導体を合成した。重合前の液晶反応場に紫外光および可視光をそれぞれ光照射することにより、ヘリカルπスタック構造のらせんの向きが異なるポリマーを得た。合成したらせん状コポリマーは円偏光吸収のみならず円偏光発光を示すことも明らかになった。(4)三種類の発光性芳香族共役コポリマーを温度制御型不斉液晶に溶解することで、温度により各コポリマーに左右のらせん構造を誘起させるとともに、白色円偏光発光を発現させることに成功した。これら結果により、温度および光を外部摂動とする動的制御型不斉液晶反応場を構築して、電子光機能性共役ポリマーのキラル制御を達成かつ推進することができた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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