研究分担者 |
高羽 洋充 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80302769)
畠山 望 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50312666)
遠藤 明 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90344704)
坪井 秀行 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20375182)
鈴木 愛 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (40463781)
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研究概要 |
高信頼性・低環境負荷の自動車・機械装置の開発に向けて, 高機能かつ無リン・無硫黄の潤滑添加剤・摩耗防止剤の開発が急務である. これら潤滑添加剤・摩耗防止剤機能の本質を解明するにあたり, ナノ摩擦界面における被膜形成過程など化学反応をともなう現象解明が必須であり, トライボケミカル反応を解明可能な手法の確立が強く求められている. 申請者らは独自開発の第一原理的手法より1000万倍高速な超高速分子動力学法を開発しており, 本年度は, 本基盤研究の最終目標である超高速化量子分子動力学法によるマルチレベルトライボシミュレータの開発に向け, (1) 超高速化量子分子動力学法に基づいたトライボロジーシミュレータの開発, (2) メソスケールでトライボロジー現象を解明可能な反応表現付トライボロジーシミュレータの開発, (3) 時間発展加速化理論の開発, を行った. (1) については, 超高速化量子分子動力学法に, (a) 系の上方から一定圧力で圧縮, (b) 摩擦・せん断方向に一定速度で系の一部を移動させる機能,の実装に成功した. (2) については,申請者がすでに開発してきた非平衡古典分子動力学シミュレータに, 原子間距離を随時監視し結合判定距離以内に達したとき原子間ポテンシャル関数を確率的に切り替えることで化学反応を表現する反応表現機能の実装に成功した. さらに, (3) については, 遷移状態理論により得られるギブスエネルギー「変化と活性化エネルギーから, フェムト秒, ピコ秒オーダーのシミュレーション時間を実際のマイクロ秒, ミリ秒のオーダーに変換する, 時間発展加速化理論の開発に成功した.
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