研究課題
我が国の持続的発展を支える基盤技術として、革新的な人間支援技術の開発が希求されている。履歴や身体性などが全く異なる個人に対しての物理的支援は、位置決めを基本にした従来のサーボ制御では実現不可能であり、運動双対性を内部モデルに含むモーションコントロールが必須である。運動双対性の実装により、第三の感覚である力触覚の伝送、再現、記録が可能な実世界ハプティクスによる人間支援基盤技術が構築されることが明らかになったが、今年度はその応用展開を図り次のような成果を得た。イ.身体座標系における直接動作の実世界ハプティクス実験の推進として、道具座標系で表現される鉗子型ロボットの把持動作と、人間の身体座標系で近似表現される外骨格装着型ロボットハンドの把持動作間における異構造バイラテラル制御を実現した。 ロ.動的計画法を用いてオンライン・リアルタイムに人間動作を認識する手法を開発した。また本手法の人間支援への応用としてリアルタイム認識によるパワーアシストを実現した。 ハ.多自由度ハプティックシステムの性能向上のため、球体関節機構の研究開発を行った。本機構は一点を中心としたヨー・ピッチ動作が可能であり、また、非駆動系を駆動系から分離できるため多自由度ハプティックシステムの軽量化・少スペース化に有効である。 ニ.ハプティクス技術を応用したインプラント手術用歯科ドリルを用いて、切削対象物の骨密度および切削深度をオンライン・リアルタイムに推定する技術を開発した。これにより顎骨のランドマーク破損による神経損傷や大量出血といった医療事故を防ぐことができる。 ホ.インプラント手術用歯科ハプティックドリルを用いて、切削スキルをデータ抽出、転写し、ブタ顎骨において骨切削の自動再現を実現した。学術発表の他に、成果報告会を開催して五年間の研究期間で得られた研究成果とその意義を広く国民と社会に発信した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (21件) (うち招待講演 5件) 備考 (1件)
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