研究概要 |
(1)G2全光論理ゲートデバイス 能動多モード干渉計(MMI)と,それを相互位相変調領域に集積化した全光論理ゲートを,InP系光デバイスプロセスに基づいて試作した.その結果,入力制御光のパワーが7dBmの時,10dBの全光スイ'ッチング消光比を得た.並行して,フェーズドアレイ型マトリックス光スイッチの開発を行い,1x8のスイッチ規模を実現した. (2)G2全光フリップフロツプデバイス まず本研究の出発点となる分布ブラッグ反射鏡(DBR)集積MMI双安定レーザ(BLD)型全光フリップフロップについて,その波長可変化を行った.その結果,波長可変幅3.1nm,消光比24.7dB,副モード抑圧比21.5dBなどの優れた性能を得た.さらに,DBRとマッハツェンダー干渉計(MZI)型BLDを組み合わせた新たな全光フリップフロップの開発にも着手した. (3)G2非相反光デバイス 非対称な断面形状を有する光導波路と非相反位相シフトを組み合わせた非相反偏光変換素子を研究した,まずその動作原理と構造について検討した後,導波路断面内での電界分布の解析を行い,さらに導波路長手方向の偏光ごとの強度分布を計算した.その結果,波長1.55μm帯において,0.27mmの素子長で93%の非相反偏光変換が可能であることが示された.この偏光変換素子は,偏光子または偏光モードスプリッタと組み合わせれば即座に光アイソレータとして動作させることができるので,光集積回路に新たな機能をもたらすビルディングブロックとして期待される. (4)大規模集積プロセス技術の開発 デジタルフォトニクス実現の鍵となる有機金属気相エビタキシ(M0VPE)における選択成長技術を,InGaN系の混晶半導体に拡張した.その結果,一度の結晶成長で同一基盤上の青から緑に至る発光を確認,実証した.
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