研究課題
半導体集積チップ上で電気化学計測を2次元アレイ・実時間で行う回路を開発した。電位検出:多くの生体反応によりプロトンが発生することから、pH変化の検出は広い応用が期待できる。細菌検査を目的に、乳酸菌の資化反応から生じる酸によるpH変化を観測した。比較実験として、培地(糖類がある溶液)とリン酸緩衝液(糖類がない溶液)の2種類の溶液に乳酸菌を投入し、pHの変化を観測した結果、培地のみpH変化を検出した。現在の医療現場における細菌検査は時間を要するので、バイオセンサチップによって短時間で特定できるなら非常に有用なものとなる。電流検出:作用電極の周りを補助電極で囲む微小電極アレイを提案した。補助電極により拡散層は作用電極周辺に閉じ込められるため、局所的な測定が可能になり、各作用電極上で球状の拡散層が形成され、定常電流が得られる。常に定常状態を維持する回路方式と電流バッファ回路を新たに考案した。これにより酸化還元電流の2次元分布をリアルタイムで観測することが可能となった。インピーダンス検出:インピーダンスは周波数の新たなパラメータにより、電位・電流とは異なる特性を見ることができる。インピーダンス計測では、2つの異なる周波数領域での測定を研究した。1つは低周波(<100kHz)における電極一溶液界面の電気2重層容量、他の1つは中間周波数(~1MHz)で観測できる電気2重層と直列に入る抵抗成分である。どちらも、分子の結合により、大きな変化が期待できる。低周波領域での電気2重層容量に対し、CBCMをベースに2次元アレイの回路を設計・試作し、DNAの検出を行った。また、基礎的な測定から、DNAハイブリダイゼーションによりDNAの抵抗成分が大きく変化することが示され、中間周波数領域での直列抵抗成分の計測が重要であることが判明し、中間周波数領域でのインピーダンスを計測する回路を新たに考案した。
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