研究課題/領域番号 |
20226012
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
伊藤 重剛 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50159878)
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研究分担者 |
林田 義伸 都城高等工業専門学校, 建築学科, 教授 (00149999)
吉武 隆一 熊本大学, 大学院・先導機構, 特任助教 (70407203)
岡田 保良 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 教授 (90115808)
勝又 俊雄 女子美術大学, 芸術学部, 教授 (70224475)
近津 博文 東京電機大学, 工学部, 教授 (50112876)
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キーワード | ギリシア / 古代都市 / 古代建築 / 実測調査 / 発掘調査 / 劇場 / 城壁 |
研究概要 |
1、フィガリアの古代都市の調査 前年度に引き続き、全体の地形図作製とともに、城壁の一部について実測調査を行なった。今年度は東側の円形の櫓のついた東城壁について、立面図を写真測量によって作成した。地形図作製については、北東部城壁を覆う灌木を伐採し、城壁の痕跡を露出させ、城壁の明確な位置を把握した。 2、メッセネの劇場及びヴルカノ修道院の建築的研究 メッセネの劇場の実測調査は、殆ど修了しているが、東後壁の図面作成、いくつかの部材図面作成が残っていたので、今年度はそれを行ない、これにより劇場に関しては図面作成はほぼ終了した。スケーネの復元図作成については、建築学会論文報告集に投稿中である。座席部分については、試案として復元案を作成し、建築学会九州支部の発表会で発表した。 メッセネのアクロポリスにあるヴルカノ修道院については、3次元レーザースキャン技術を用いて、その計測結果に基づいて、修道院全体及び各建物の平面図、立面図、断面図等の完全な図面の作成を終了した。 3、アテネのアクロポリスの「ローマとアウグストゥスの神殿」の建築的研究 アテネのアクロポリスにある「ローマとアウグストゥスの神殿」は、メッセネの劇場のスケーネと同じく、ローマ時代の建物であるが、正確な図面がなく、本年から実測を始めた。本年は3次元レーザースキャナーを用いて、主となる部材のいくつかについて全体の形状を取り、これをもとに実測図を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究については、メッセネの劇場の実測調査とともに、フィガリアの発掘調査を行なう予定であった。メッセネについては、調査は当初の計画以上に進展し、関連研究としてメッセネのアクロポリスにあるヴルカノ修道院、そしてアテネのアクロポリスにある「ローマとアウグストゥスの神殿」をも調査することができた。 フィガリアについては、所期の段階で発掘許可が得られないことが判明し、これを断念し、全体の地形測量、城壁の建築的実測調査に切り替え、これについては順調に進めることができた
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度として、フィガリアにおいては城壁の調査の継続、およびメッセネにおいては劇場の実測調査における見落としの部分の補完的調査を行ない、年度末にこの5年間の調査の中間報告をまとめる予定である。
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